現在、むし歯治療で歯医者に通っています。

「次回、冠をかぶせることになります」と言われ帰ってきました。

よく考えると母は、金属アレルギーで歯ぐきの黒ズミや口の中のアレルギーなどに困っています。親子なので私も同じようになるのでしょうか?

歯科で使用する金属の特性とリスクを教えて下さい。

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保険がきく歯科材料は、俗に言う銀歯とアマルガムがあります。
アマルガムは、銀の細粒とスズと水銀などを混ぜて作られます。
このうち水銀は3分の1を占めています。
そのような金属が口の中に10年、20年と長い単位で入っているのですから、その毒性が心配されるのは当然でしょう。

口の中に複数種の金属が入っている危険!!

また、口の中に複数の金属が存在すると、金属の一部は口の中に溶けだしてきます。

唾液という電解質の中に異種金属が存在すると、そこに電位差が生じ、イオン化傾向の高い金属が溶出してきます。

※イオン化傾向とは、金属が陽イオンになる性質の度合をいいます。貴金属度の低いものほどイオン化傾向は高くなり、貴金属度の高いものは低くなります。

口腔扁平苔癬

写真 水戸済生会総合病院皮膚科

飯島 茂子先生資料より

歯科金属アレルギーが関与した口腔扁平苔癬

前述のアマルガムで説明します。
口の中にアマルガムの詰め物と金のかぶせ物がある場合、まずアマルガムの水銀が溶けだし、次いで銀が溶けていきます。
これは水銀が一番イオン化傾向が高いからです。

この溶出した金属が、細胞毒性や金属アレルギーを引き起こす恐れがある考えられています。
この問題は何年か前にNHKが取り上げ、最近もアマルガムに含まれる水銀がアトピーの要因になるとの報告が、日本経済新聞に掲載されました。
こうした被害があっても、それが、金属によるものと科学的に立証するのは困難で、因果関係が明確にされていません。

しかし疑いのあることは事実ですから、なるべく金属は使わない、使う場合は、貴金属度の高いもの(金)を1種類だけ使うのがよいでしょう。 

アレルギーの原因

東京歯科大学大学院研究科長 井上 孝先生著書より

現在、日本国民の3分の1が、花粉症やアトピー性皮膚炎、喘息を発症しているといわれています。
わずか数年の間に生活レベルが向上し、その結果、世界一の長寿国となりましたが、その代償は アレルギーという形で戻ってきました。

この原因には3つの要素があります。

  1. 植林された150万ヘクタールにも及ぶ杉は、現在花粉を放出する適齢期に到達していて、住宅の心地のよい空間には、家だにの数が飛躍的に増加しています。
  2. 日本が綺麗すぎることです。(発展途上国にはアレルギー患者をみることはまれだといいます。)
  3. 近代国家が生み出した大気汚染物質です。特に、交通量の多い街道沿いでは、交通量の少ない地区の何倍もアレルギー患者が多いといいます。 

アレルギーの発症の仕組み

アレルギー発症のメカニズムはいうまでもなく、免疫の異常です。
感染に対応するTh1細胞とアレルギーを起こすTh2細胞がバランスを保っていれば問題はないのですが、上記の理由から、そのバランスは崩れ、Th2細胞の働く機会が増えてしまうのです。
 

<<審美歯科の材料について 


歯科用金属

近年、金属アレルギーの患者さんが増加してきていて、患者さんは金属アレルギーではないかと疑われて、歯科医院に来院される方もいます。

患者さんの中には、金属アレルギーかも?と疑われていても、どの金属元素にアレルギーがあるのかを知らない場合が多く、すぐに歯科治療が進められない場合も少なくありません。

現状では歯科治療において金属材料は必要不可欠です。
しかし、一般歯科開業医では、パッチテスト等のアレルギー検査はできません。
金属アレルギーを疑われる方は、皮膚科の先生の診療を受けることが先決です。

また、歯科治療はほとんどの金属材料が合金という形で使用されています。
金歯といっても他の金属は含まれており、銀歯についても同様です。
金を使うというのは、金が一番多く含んだ合金を使っているということです。
合金という形でないと歯の形に鋳造できません。 

歯科治療に使用される金属

1 金合金
2 白金加金合金
3 陶材焼付合金
4 金銀パラジウム合金
5 銀合金
6 アマルガム合金
7 チタン合金
8 純チタン合金

などががあります。(4 5 6 は保険適応金属です。それ以外は自費治療になります。)

パッチテストの結果をみて、アレルギーの出た金属元素を使わないことが、歯科治療を受ける時に必要です。
セラミックについてはアレルギーの報告は現在のところないと思われます。
今後セラミックによるメタルフリーの治療が主流になってくれればと思います。

金属1pm.jpg

金属アレルギー患者 金属元素別人数 愛知学院大学資料より

金属アレルギーと腐食

患者さんの口腔内を拝見すると数種類の金属による治療痕をみることは少なくありません。

複数種の金属が口腔内にあるということは、異種金属が接触しガルバニー電流をおこす心配があります。
口腔内は過大な咬合力が加わることで応力腐食をおこすこともあります。

また、唾液が電解質となるために、口腔内は金属が溶出しやすい環境ともいえます。

なるべく金属を使わない治療、もしくは1種類の金を主体とした治療を受けるのがベストでしょう。

腐食pm.jpg

※腐食
金属が化学反応によって変質すること 

※ガルバニー電流
唾液や汗を介して異種金属が電池のようになり電流が流れ慢性的不快感をもよおすことがあります。

腐食について

保険で使用する金属

・アマルガム合金
・銀合金
・2%金銀パラジウム合金
・その他

自費治療は材質に制限はありません

・セラミックス
・ゴールド
・チタン
・その他

根っこの治療をする前に銀歯の冠をはずしたところです。一般的に見られる口腔内で、また日常によくみられる金属が腐食を起こしている歯の状態です。

腐食

黒くなっているところが、腐食です。むし歯ではありません。

この方の口腔内には、アマルガム合金、銀合金、12%金銀パラジウム合金、その他が、混在しています。

口腔内は、歯を使って毎日いろいろなものを噛みつぶし、温度変化が激しい場所です。
異種金属同士が、ガルバニー電流を起こし、唾液を介在させ合金は、腐食し体内に少しづつ取り込まれていきます。
個人差がありますが、生体はいろいろなものにアレルギー反応を起こします。

金属アレルギーもその1つです。

アマルガムは、金属アレルギーの原因の1つ

アマルガムは、微量ですが水銀を含み、アトピー性皮膚炎の原因の1つではないか?といわれています。

アレルギーの方が多くなった現在でも、口の中に多種多様の金属が入っていても、身体の症状がない方がほとんどです。しかし、「花粉症」と同じように日々蓄積され、あるレベルを超えると初めて症状として現れます。

このHPで何度も書いています。

自費治療になりますが、長期的に腐食せず、咬合力に耐えうる生体親和性の高いノンメタルの修復物で治療するのが身体に1番よい方法です。

咬合力等の諸々の問題で、どうしても金属治療が必要な時は、1種類のGoldを選択し、統一させることが望ましいです。

▲審美治療について

 

右上 奥歯2本の金属→ダイレクトボンディングにやりかえ

金属の奥歯2本をダイレクトボンディングにやりかえ

 

右下 奥歯2本の金属→ダイレクトボンディングにやりかえ

金属の奥歯2本をダイレクトボンディングにやりかえ

注意

昨今、金属アレルギーを心配して来院される方が増えています。

「金属アレルギーでしょうか?」と質問されても金属アレルギーかどうかの診断は、皮膚科先生に診断していただいて下さい。パッチテスト後、どの金属に反応するかがわかりますのでその結果をみて歯科材料を選択していきます。

ダイレクトボンディングの費用

1歯 30000円~(税抜き)

口腔内の状態は、個人によって異なるため治療期間・費用はそれぞれ違います。わからないことがありましたらお電話下さい。

※ 金属をつかわない治療の費用についてはこちら

 

審美歯科と顕微鏡歯科に取り組む、スワンデンタルクリニックはさいたま市岩槻区