審美歯科と歯周病
歯茎から血が出る。。重大な病気のサインの時がある!!
質問 40歳の会社員
「歯茎が腫れて、歯周病かどうか気になります。歯をみがくと歯茎から血が出て止まりません。どうしたら、健康な歯を取りもどせますか?」
歯茎から血が出る7大原因
1 歯肉だけが、炎症を起こしている場合が、歯肉炎です。
2 さらに進行して歯を支える骨(歯槽骨)や歯と骨をつなぐ歯根膜が破壊されるのが歯周炎です。
この2つが歯周病の代表です。
原因は、ある種の最近が出す毒素と考えられています。歯の表面に付くねばねばした物質が、歯垢(プラーク)と呼ばれこれが、細菌の巣なのです。
歯垢1mmg中に30億の細菌がいるといわれています。
歯垢に唾液などのカルシウムが結合して固くなったものが歯石です。
目で見ても舌で触っても根元にザラザラした感触があれば歯科医院で、歯石を取ってもらって下さい。
歯垢や歯石は、歯肉溝を押し広げ、さらに深く入り込み歯周ポケットとなり、歯槽骨を溶かし始めると歯周炎になります。
侵された歯槽骨は 徐々に崩壊して歯を支えられなくなって歯はぐらぐらします。歯肉からは、膿が出てきたり、痛みも伴ったりします。
3 ゴシゴシと硬い歯ブラシで磨き、歯茎を傷つけた時
4 ホルモン異常
更年期障害にとるホルモンの乱れによって歯茎の血流に不具合が起き、出血する
4 血流凝固障害・心臓病・糖尿病
5 降圧剤の副作用で歯茎が腫れ、出血する
6 ドライマウス
7 口呼吸で歯周病になり出血す
歯茎から血が出る症状 治療の4つのポイント!
一般的な歯周病は、長い間かかって進行し、あまり苦痛がないため つい放置しがちです。
歯を磨いて血が出るなど、少しでもその兆候があったら、歯科医院で診てもらって下さい。
歯周病は
1 歯磨きで治る
やわらかい歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシを使って丁寧に磨く。
2 歯磨きと歯石をとるだけで治る
歯科医院で自分に合った歯磨きの仕方を教えてもらって、歯周病の原因の歯石を取る。
3 手術が必要
4 抜歯しなければならない
など病状の進行に応じ、いろいろな場合があります。
いずれにしても歯垢をためないために重要なのはきちんと歯をみがくことです。
歯茎から血が出る。。重大な病気のサイン!!
1 白血病
2 血友病
3 血小板減少性紫斑病
4 再生不良性貧血
5 ネフローゼ症候群
歯茎からの出血が上記の治療を施しても治らない場合は、重大な病気のサインでもあるので、内科の先生の診断をあおいで下さい。
歯茎の腫れ 8つの原因
歯周病になりやすい身体の危険因子
糖尿病
歯周病になりやすい生活習慣
喫煙
歯周病になりやすい口の中の危険因子
歯周病に影響する口の中の危険因子があります。
歯茎の腫れの8つ原因
1 口の中のことに関心がない・歯並びが悪い(歯垢がつきやすくなり、また落としにくいです)
2 やわらかく、甘いものばかり食べているとプラーク(歯垢)ができやすいです
3 口呼吸の人は、歯肉が乾燥し炎症が強くなります
4 食片圧入(食べ物が歯につまる)は、歯周組織を傷つけ炎症を強くします
5 歯ぎしりやくいしばりは歯周組織に負担をかけます
6 適合不良の金属が入っていると歯垢がたまりやすくなります
7 歯を抜けたままにし放置すると、咬み合わせがおかしくなり、プラークがつきやすいです。プラークがつきやすい、また除去しにくい環境をつくり出すものは危険因子です
歯ぎしり予防の治療
歯ぎしりによる歯のすり減りを予防するには、マウスピースの装着があります。
※歯ぎしりによる歯のすり減りを防止するマウスピースの製作は、保険適応です。
歯周病の症状と歯周病予防8つのポイント
・10人に8人が歯周病?!
・歯周病についてご存知でしょうか。。。?
・中年以降の口の中の状態とは。。。?
・歯周病になりたくない!!
「中年以降、歯医者に行く人が多くなるのは、なぜですか?」
中年期になると歯の不調を訴えて歯科医院を受診する人が増えてきます。
若い頃に自覚症状の少ない初期の歯肉炎・歯周炎だった人が、中年期になって自覚症状が現れてきたケースが多いからです。
「中年期」の人で歯が悪いのはあたり前というほど、歯周病にかかっている人が多くなります。
厚生労働省の調べでは35~44歳で初期の歯周病にかかっている人は全体の5割です。
中等度以上の歯周病にかかっている人を合わせると、なんと8割以上にもなるということです。
この年代から歯の本数が急激に減るのも歯周病の影響が大きいようです。
歯周病の症状
「なぜ、中年以降、歯のきわが、むし歯になるの?」
歯周病が進行すると歯肉が下がって(減って)歯が長く見えます。
ここは、元々歯肉の中に隠れていた部分(ねっこ)でエナメル質ではなく内側の象牙質がむきだしになっています。
その部分は軟らかく、その分むし歯になりやすいのです。
ねっこの部分は乳歯よりも生えたての永久歯よりもずっとむし歯になりやすいと覚えていて下さい。
歯周病予防はどうしたらいいのか?【歯周病予防8つのポイント】
1 食べたらみがく
2 硬いものを積極的に食べる
3 栄養のバランスのよい食事
4 糖分を控える
5 たばこは吸わない
6 ストレスをためない
7 歯ぎしりは早めに治す
8 歯科医院で定期的に歯石を取ってもらいましょう
歯がぐらぐらする原因! 原因の1つの重度歯周病の状態は、こんなです。
歯がぐらぐらする原因
主な原因5つ
1 根っこが感染している
2 歯根破折
3 外傷
4 乳歯が抜けそう
5 歯周病
ここでは、重度歯周病について説明していきます。
笑って見える部位にたくさんの歯石がついています。
3大症状
・発赤
・出血
・排膿
といった症状が歯肉にみられます。
↑下の前歯のレントゲン写真
歯周病で、歯がぐらぐらする原因
上の写真を見ると、
骨がかなり溶けて減ってきています。(これを吸収といいます。)
歯周病がさらに進むと骨の吸収もまた進み、骨の吸収が1/2以上になると歯がグラグラし始めます。
膿が出始めると口のネバネバ感が強くなり口臭もひどくなります。
やがては歯は抜けてしまいます。
歯周病の治療
歯垢や歯石は、歯周ポケットとなり歯槽骨を溶かし始めると歯周病になります。侵された歯槽骨は、徐々に崩壊し歯を支えられなくなって歯はぐらぐらし始めます。歯肉からは膿が出たり、痛くなったりします。
1 初期にうち(歯肉炎)は、丁寧な歯磨きで、治っていきます。
2 歯磨きと歯石をとるだけで、治っていく。
3 歯周病の進行がひどい時は、手術が必要です。
4 グラグラで、回復の見込みがなく、抜歯しなければならない。
などの状況に合わせ、治療法が代わっていきます。
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歯茎が腫れる 歯茎の腫れの原因と4つの治療方法
「いっきに、全体が腫れた。痛い。」と言って来院された20代前半の患者さんです。
治療方法 4つのポイント
・食事指導(栄養指導)
・生活指導(睡眠、運動)
・ブラッシング指導
・全歯のクリーニング
上記の治療のみでオペ治療することなく、快方に向かいました。
この患者さんは、若さの治癒力に加え、ご本人の努力が改善に向かった大きな要因でした。
※ 各人によって口腔内状態が異なりますので、治療期間・費用が違います。
腫れの原因
若者を取り巻く環境は年々変化して複雑になっています。
勉強のストレス、親子、友人関係の複雑、多様さからくるストレスを食事によって解消しようとするのは大人ばかりではありません。
若い患者さんは、まさにその渦中にあるのです。そのストレス解消が、いつしか生活習慣病になってしまうのです。
甘いもの好きに育ったなら、なおさらです。
若い方のむし歯や歯肉炎は、そんな生活習慣の問題が重なっています。
予防
歯周病やむし歯は多くの慢性疾患と同じで、きめ細かな自己管理で予防できるものなのです。
ブラッシングと食生活の改善がその柱となります。
かかりつけの歯科医院での定期検診とクリーニングに心がけて下さい。
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歯周病ってこんなに怖い!歯周病菌が起こす5つの病気
歯周病は全身に影響する!
例 口腔内の全部の歯28本=72㎝×2に、ポケットが5㎜あったとします。
てのひらいっぱいに、慢性潰瘍があるのと同じ状態です。
【ポケット5㎜は、中等度~重度の歯周病。出血、排膿、動揺がある状態です。】
歯周病は、口の中だけにとどまりません。
歯周病菌が、歯肉の毛細血管を通じて全身をめぐり、さまざまな病気を発症、悪化させます。
歯周病が身体にもたらす影響
最近では歯周病菌が、
1 動脈硬化
を起こし
2 脳梗塞
3 心筋梗塞
の引き金になることもわかってきました。
歯周病は
4 高血糖
5 高血圧
のような生活習慣病の発症のメカニズムに影響を与えたり、相互に影響し合ったりすることも明らかになってきました。
このようなことから、歯周病は、全身の健康状態との関わりでとらえる必要があります。
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歯周病に対するアンケート
男女 10~60代対象 1000件
2011年5月20日~5月23日 楽天リサーチ株式会社
1 「歯周病」という言葉の認知率
言葉の認知率は98.5% と非常に高い結果です。
2 誤認率は高い?
「歯周病が影響する疾患」を聞いたところ35.7%が他の疾患と関係ないと答えています。
関係ありますよ!! 糖尿病36.7% 心疾患24.7% 動脈硬化19.3%
3 10代の女性の3割は、半年に1回のみ歯ブラシ交換
市販の歯ブラシの寿命は1か月程度。1か月に1回交換する人は29.7%足らずでした。
国民の70%が歯周病です。歯周病が関連する4つの病気
国民の約70%が歯周病です。
全身の健康と歯周病の関わりが明らかになっています。
定期的なプロフェショナルなケアと毎日のセルフケアで口腔から全身を守りましょう。
厚生労働省 H17年歯科疾患実態調査報告より
■歯周病罹患率
20代…75%
30代…80%
40代…86%
50代…86%
歯周病学会資料より
歯周病
単に歯を失うだけでなく、その病変部の歯周病原生細菌が持続的に全身への感染源になります。
歯周病原生細菌は歯肉の小さな傷から血中に侵入し、体内に運ばれます。
【歯周病と関係ある疾患】
1 脳卒中
長期にわたる重症な歯周病の場合、歯周病原生細菌は血管内に侵入・増殖し頸部動脈硬化症を引き起こし、この疾患が脳卒中と関連します。
2 肺炎
高齢者では口腔内を不潔なままにすると、口腔内の細菌が肺に侵入し、誤嚥性肺炎を引き起こします。
3 狭心症・心筋梗塞
歯周病で多く見られるP.gingivalis菌は血栓を作りやすく、体内を循環して、心血管疾患の危険因子となります。
4 早産・低体重児出産
妊娠時に歯周病は悪化します。重度歯周病のまま放置すると胎児の出生状態にも影響を及ぼします。