糖尿病

糖尿病は、白血球の活動(食作用)を低下させ、細菌に対する抵抗力を弱めます。

糖尿病と歯周病

糖尿病が歯周病を悪化させます。それは、糖尿病による高血糖で血管基底膜が肥厚する血管症がおこり、これが種々の合併症の原因で歯周病も悪化します。

さらに糖尿病では細菌を食べてくれる免疫細胞、特に多角形白血球といわれるものの機能が低下することで歯周病はより悪化するのです。

糖尿病の方の歯科治療時の注意

 出血しやすく傷の治りが悪い傾向にあるため早期の治療が肝心です。

 血糖値のコントロールが悪いと歯周病の治りが悪いので糖尿病の初期のうちから歯周病の治療を始めて下さい。

 空腹時の治療は、低血糖状態なので避けましょう。

 抜歯などの外科手術は、空腹時血糖150mg/dl以下、1時間値200mg/dl以下であれば可能でしょう。

 歯科治療中は、血圧の変動があったり、歯科用の麻酔薬には血管収縮剤が入っているため、血糖値が上昇するので。かかりつけの歯科医には糖尿病であることを必ず伝え、内科の先生の治療受けて下さい。

歯科麻酔で血糖値は上昇するの?

答え 歯科の局所麻酔に含まれる血管収縮剤は1/80000と非常にわずかです。

糖尿病の患者さんに血管収縮剤含有局所麻酔(エピネフリン)を使用した場合は、一過性の血糖値上昇を生じる可能性もありますが、その程度は健常者と変わらないとされています。

糖尿病のコントロールをしっかりしていれば歯科治療は、問題なく受けられます。

歯科麻酔の副作用・利点

副作用 

歯科麻酔のエピネフリン(アドレナリン)は、局所の血管収縮作用だけでなく、心拍数、血圧の上昇、血糖値の上昇させる作用があります。

利点

歯科麻酔の中に血管収縮薬を添加することによって

 麻酔薬による中毒の防止

 麻酔使用量の減少

 持続時間の延長

 麻酔作用の増強が図られます。

血管収縮剤が添加されない麻酔の場合は、作用時間が30分程度と短く、止血作用も期待できません。(血が止まりにくい)ので外科手術などの治療時間が長い場合はむきません。

糖尿病の患者さんで麻酔の副作用を気にされる方もいますが、どんな麻酔にも利点と副作用があります。まずは糖尿病の治療をすすめてコントロールできる状態に身体を保つことが先決です。

糖尿病専門医のいる病院を調べて診療を受けましょう

糖尿病のコントロールをしっかりしていれば、歯科治療は問題なく受けられますので、糖尿病の治療に専念して下さい。

 

糖尿病手帳

糖尿病手帳をお持ちの方は、歯科治療の際に受付に提示して下さい。糖尿病の現在の状態、かかりつけのお医者さんをうかがっておくと、スムーズに歯科治療がすすみます。