わかりやすくするために説明いたしますと
従来の詰め物と現在保険診療で使われているもの双方をレジンといいます。
一方、審美歯科で使うものをダイレクトボンディングといいます。
私は歯科医になってから、つい最近まで保険がきき安くできますがレジンにもの足りなさを感じていました。
レジンはダイレクトボンディングに比べ早期脱落、着色、2次うしょく(治したところが再びむし歯になる)歯髄〈神経)への刺激が強い等の問題をかかえています。
当医院の審美治療は自費となりますがレジンにかわり、十分に信頼をおける材料に進化し、天然歯に似た表面性状をつくりあげることが可能になったダイレクトボンディングという接着材料を使っています。
ダイレクトボンディングの費用
33000円~
各個人によって状態が異なるため、治療期間・部位・費用は違います。
私の考える審美(Esthetic)とは自然(Natural)であることです。
治療した歯、部位がはっきりわかるような状態ではダメです。
どこを治療したかわからなくなってはじめてEsthetic=Naturalだと考えます。
ダイレクトボンディングというエナメル質象牙質を表現できる、バリエーションのある材料の進歩により個々の歯牙の特色を忠実にうつせるようになったのです。
そして審美性、接着耐久性ともに素晴らしい結果に多くの方が利用するようになっています。
関連記事
※ ダイレクトボンディングの治療例→ こちらの治療例へ>>
ダイレクトボンディング4本
各個人によって口腔内の状態が異なるので、治療費用・時間・部位は違います。
天然歯と見分けがつかない審美治療
「きれいな歯だね、って言われたよ。」
子供の頃からずっとお付き合いしている患者さんが開口一番、
「今日、学校の歯科検診で、きれいな歯だねって、ほめられたよ。」と報告に来てくれました。
初診時 1999年 4歳
小さい頃から、定期的な検診、クリーニング、フッ素塗布を続けてきた患者さんで、むし歯はもちろん、修復物もないきれいな口腔内でした。
しかし残念なことに奥歯が部分的に欠けてしまいました。
患者さん本人、親御さんもがっかりし、金属で治すのも嫌だし、大きく削って治すのも嫌と心配しています。
このケースは、奥歯でしたがダイレクトボンディングが、ぴったりの症例です。
現在 2010年 15歳
マイクロスコープ下で、小さく削り(MIの基本)ダイレクトボンディングで治します。
カメレオン効果(回りの物体、色と同化してしまう)が、バッチリでて、どこを治したかわからない自然なできで、歯科医院のライトの下でもどこを治したかわかりません。
学校歯科検診で全てナチュラルな天然歯と診断されても当然でしょう。
歯科医療は進歩しています。できるだけ小さく処置して、自分の歯を長くもたせば次に処置が必要になった場合、全く別のその時、最も進化した最適の治療がうけられるはずです。
予防を大事にし、口腔内の健康に留意して下さい。
参考:ホワイトバンド(帯状の白い模様)やホワイトスポット(白い斑点)が前歯にある人に、希望であれば、それを再現することも可能です。
天然歯そっくりになります。
MI:ミニマルインターベンション(minimal intervention)とは最小侵襲治療(あまり削らない治療)のことをいいます。
注意!
この症例は、早い時期に治療したので非常によい結果になりましたが、むし歯が大きかったり、治す範囲が大きい場合は、ダイレクトボンディングがあてはまらないこともありますので、早めに歯科医師に相談して下さい。
前歯がすいている状態
前歯 ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングの治療方法
ダイレクトボンディング治療の前に臨床で注意することがあります。
■ 歯肉圧排
歯肉圧排~審美歯科治療
ダイレクトボンディング治療を行う際に、場合によっては歯肉圧排を行います。
術野を明確にすることが天然歯そっくりな歯をつくりだすには大事なことです。
歯と歯肉の境にもダイレクトボンディング治療をおこなわなければならない時は必ず、歯肉圧排(歯肉圧排糸を使って)を行います。
※歯肉圧排とは
物理的(歯肉圧排糸)科学的(収斂剤)外科的(電気メスやレーザー)な方法によって、支台歯の周囲の歯肉を排除する手技の総称です。
歯肉圧排をすることによって以下の3点が守られます。
・歯肉からの滲出液、血液によるダイレクトボンディング剤の影響を予防する。
・歯肉からの滲出液、血液によるダイレクトボンディング剤の汚染を防止する。
・術野を明確にする。
■ 隣接面治療~審美歯科治療
虫歯(歯と歯の間のむし歯)治療《マイクロスコープ使用》
- 金属板を入れて隣りの歯を削らないように保護します。
むし歯の除去は4~5mmの深いむし歯でした。
マイクロスコープを使っての治療の利点は深い場所でも近くに大きく見えるので、むし歯の除去が容易に確実にできることです。 - 歯と歯の間のむし歯にダイレクトボンディング治療をする時の注意点として、コンタクト(隣接面)を適合させる歯科材料を(歯の形態や状態から最も適したもの)選択することです。
- 漏洩試験を行い、洩れないことを確認して、
- 最新のフロアブルダイレクトボンディングを充填します。
ダイレクトボンディングの利点
■ 積層充填
ダイレクトボンディングは、たくさんの歯を削ってしまう前に最小限で最大限の効果をあげることのできる治療法です。
利点 1 形成量が少ない
2 痛みが少ない
3 最少のアポイントですむ
4 即日処置のため すぐに結果がでる
などのメリットがあります。
小さい虫歯でしたら、1層もしくは2層築盛で対処できますが大きい虫歯になると何層にも色を変えて築盛していきます。
何層にも少しずつ築盛していかないと天然歯独特の透明感や力強さは表現できません。
天然歯は、マイクロスコープで見ると明るい歯、暗い歯があるわけでなく、明るいところと暗いところがあります。
少しずつ色を変え、積層していくことで天然歯とそっくりな色調が再現できます。
ダイレクトボンディング 前歯
技術の進歩によって新しい製品が発表され、この20年余りの間に歯科材料の中でレジンほど進化をとげたものはないと思います。
H18年ダイレクトボンディングで修復しました。
5年後の現在H23年は、左の写真です。
マイクロスコープ強拡大
定期検診とクリーニングにいらした患者さんの写真です。
H18年に前歯をダイレクトボンディング(自費)で治療しました。
現在H23年約5年後の予後です。
これをみるとダイレクトボンディングの口腔内における生存率は、金属修復物の生存率と比較して劣らないようになっていると思います。
この患者さんは、喫煙されず着色しやすいコーヒーなどもあまり飲まない食生活をされているのもよい予後を保っている一因といえます。
緊密充填
マイクロスコープ拡大
ダイレクトボンディングを歯と歯の間に緊密充填するために、器具が適合しているか拡大して確認します。
マイクロスコープ拡大
ダイレクトボンディングを填入します。
少しづつ填入するのは、積層し、天然歯の色調に近づけるためと気泡入りを防ぐためです。
ダイレクトボンディング×2
検診にいらした患者さんです。
ぱっと見た目は綺麗ですが、左下の奥歯に2本の虫歯があります。
自発痛がないので患者さんは、虫歯の自覚がありません。
この患者さんは、自己ケアもきちんとできていて、簡単に虫歯ができるような方ではありません。
なのにどうして虫歯になってしまったのか?
6歳臼歯といわれる奥歯は、上下左右4本、6~7歳頃に萌出します。
萌出後約10年は、歯質は軟らかくきめ細かいケアが必要です。
10年後の17歳は、高校生でまだ学校検診がありますので、早期むし歯の発見も可能です。
その奥の最後の奥歯は、上下左右4本、11~13歳頃萌えてきます。
萌出後10年というと23歳くらいまでです。高校を卒業してから大学生、社会人おのおのの道に進みます。
仕事に勉強に忙しい日々を送っていますので1番最後に萌えた歯は、23歳くらいまでは細かいケアが必要ということを忘れてしまいます。
これが大きな原因で1番奥の歯が20歳前後で治療になるケースが多いのだと思われます。
奥から3番目の歯
虫歯を削っている途中。溝にそって浅く小さい虫歯と歯と歯の間に部分的に、深い虫歯があります。
奥から2番目の歯
治療途中、薬を塗っているところです。
積層充填した歯
咬み合わせのチェツクのため、赤い印がついています。
この方は奥歯でしたが、むし歯を最少限の形成で健全歯をできるだけ残しダイレクトボンディングで治療しました。
健全歯質はパールのように美しい光沢があります。その美しい歯とのバランスを崩さない材料が治療には求められます。
奥から3番目は隣接面カリエスがあったのでレジン(保険・プラスチック))の治療は不向きです。レジンは脆弱なので奥歯の治療には向きません。
今回は、ダイレクトボンディングの治療(色、硬さ、耐久性、最小減形成などから)がBestな選択です。
ビルドアップ
向かって左の糸切り歯が、虫歯です。
今回は、虫歯が深く根っこ(神経)の治療が必要でした。
1 健全歯質が多く残っている
2 入れ歯の鉤歯(金具を引っかける歯)
3 隣の歯がMB(セラミック)
3つの状態を検案し、バランスや最小限の歯質削合からビルドアップを選択しました。
天然はと似せるためにホワイトラインを入れています。
拡大 1番左の歯
ビルドアップ
※ビルドアップとは(自費治療)
神経がなくなった歯は、通常もろく割れやすくなるためオールセラミックや金属の歯を被せます。
現在は接着歯学が進んだことによって、歯質が多く残っている場合は、
しん(ファイバーコア)を入れて強度をはかり、足りない歯質をダイレクトボンディングで補うことが可能になりました。
最小限の歯質削合で修復できます。
MI(最小侵襲治療)
上下の歯は、咬頭と裂溝(山と谷)によって出来上がり上下の歯が咬み合い咀嚼します。
咀嚼効率を高め、ストレスを減少するために、歯の接触面積はできるだけ小さいほうがよいとされています。
面接触の咬合よりも点接触の咬合のほうが優れているということです。
面接触になると、食物の粉砕力が劣り、歯肉・骨への荷重も増大するといわれています。
要するに、本来のその人自身の持つ歯の形を壊さない治療、MI(最小侵襲治療)が求められているのです。
大きく修復する必要がある場合は、歯と同じ固さの金属(Gold)がベストであり、そこにすぐに擦り減ってしまうプラスチックが大きく入ると、顎位が狂い始めます。
なるべく小さく削り治す、歯に優しく脆弱でない材料(ダイレクトボンディング、セラミック、Gold)を使うことが歯を守ることにつながります。
溝の沿って虫歯があります。
虫歯の入り口
入口は小さく、中はきんちゃく袋のように大きくなっています。
画像だと立体感は出ていませんが実際の虫歯は、かなり深いです。
確認 マイクロスコープ強拡大
MI:小さく削って治すことは、虫歯を取り残す不安がありますがマイクロスコープを使いぐるっと一周確認しますので安心して治療できます。
肉眼では取り残す不安があります。
「溝に黒い着色線は必要ない」ということだったので、白っぽい仕上がりにしました。
ダイレクトボンディングの治療時間
このHPを読んでいただき、ダイレクトボンディングについてお尋ねになる方や、希望して来院される方が増えています。
HPを読んで来院される方の多くは理解力も高く、長い説明を必要とすることはありません。
1つだけお願いがあります。
ダイレクトボンディングは、MI治療(あまり削らない治療)の基本であり、形や色の具合を見て天然歯に近づける審美歯科治療です。
治療には時間がかかります。
初診日にすぐに治療にとりかかるわけではありません。
(できる場合もありますが、それは極めて小さいむし歯や小さい破折ケースのみです。)
初めての日は問診、視診、レントゲン検査と希望のダイレクトボンディングが可能かどうかの診査、時に歯型をとって形の確認をします。
後日、時間をとって治療を開始します。
1本あたり1時間~1時間30分くらいを要します。
審美治療・顕微鏡治療というものは5分~10分で治療を完成できるものではありません。
時間がかかります。何層にも色を積層したり、色づけを重ねることで天然歯に近づけていきます。
ということで初診日に患者さんの全ての希望を叶えることは無理があります。
遠くから来院されている患者さんには心苦しいお願いですが、何とぞよろしくお願いします。
顕微鏡使ってのダイレクトボンディング治療
奥歯には茶色の着色と溝に陥没が認められ、エナメル質・象牙質がむし歯です。
う蝕検知液(青)を塗布し、むし歯を確認します。
マイクロスコープで拡大、ぐるっと1周確認します。
ダイレクトボンディングを通法に従い填入していきます。
※ダイレクトボンディングは保険外治療です。
この患者さんの虫歯は、溝に限局していて、まだ歯質が崩壊していません。
大切な咬頭(山)が十分に残されています。
この場合はダイレクトボンディングが最適の治療法です。
奥歯であっても審美性・耐久性・MI(あまり削らない治療)を考え選択されるのがBESTと思います。
質問 「前歯の詰め物の色が茶色になってきました。治療は必要でしょうか?」
答え 前歯の白い詰め物はレジン(保険)というプラスチックのものがほとんどです。
この材料は吸水性ですので、お茶、ワイン、コーヒー、タバコなどを取り込みやすく徐々に変色してきます。
ご本人が気にされている場合、大きい変色は再治療をする必要があるでしょう。
前歯のダイレクトボンディング 複数歯
主訴「歯が汚い」と言って来院されました。
治療期間がとれないので1~2か月で終わりたい、とのことでした。
問題
1 虫歯
2 すきっ歯
3 全体な歯の形のバランス
4 咬合の問題
全体の歯の形がバランスよく整っていないこと、虫歯が広範囲・多数歯にわたるため、
オールセラミックやラミネートの検討もしましたが、この方には咬合の問題と治療日数の制限があります。
咬合での問題は、下の前歯が上の前歯をつきあげるような咬み合わせをしていることです。
この咬み合わせのままオールセラミックをかぶせることは将来的に問題が起こる可能性があるので選択肢からはずしました。
ダイレクトボンディング中心で治療をすすめることにしましたが、
今回は1歯の中に広範囲のむし歯・レジン(保険による治療痕)があり、また、それが多数歯にわたります。
こういった症例はカメレオン効果が期待できず大変苦労しました。
むかって右の犬歯はオールセラミッククラウン
他の上下の虫歯はダイレクトボンディング
※カメレオン効果
天然歯と修復した部位がなじんで修復部位がわかりにくいこと。
虫歯が小さければ小さいほどカメレオン効果はでやすい。
リタッチの値段
こういった大きなダイレクトボンディングのケースは。数年後リタッチが必要です。
保険のレジンは半年くらいで収縮、色の変化がおこります。
ダイレクトボンディングは、色の変化はおこりにくいのですが、自分の歯とダイレクトボンディングの境の所は目立ってきます。
お手入れは必須です。
リタッチは、再研磨したり、部分的に修復しなおすことです。
最初の治療ほど治療費はかかりませんが、治療時間は1歯30分~1時間かかります。
ササッと研磨して終了というわけにはいきません。
当院で治療のダイレクトボンディングのリタッチは 1歯5500円~
関連記事
<<この記事を読んだ方は、他の審美治療についても読んでいます。
ダイレクトボンディングでの奥歯の治療
咬合面(咬む面)にむし歯があります。
画像では、光って見えにくいですが古いレジン充填も変色してついています。
むし歯が 裂溝に限局しているので、ダイレクトボンディングが最適な適応症例です。またダイレクトボンディングは、金属アレルギーの心配もありませんので、こういう症例はダイレクトボンディングが多用されています。
古いレジンを取り、虫歯を取っていきます。
この症例も入口よりも中が深く、巾着袋のような虫歯です。
顕微鏡強拡大
モニター画像は、ぴったり鮮明に写っていませんが、実際は天然歯に近い出来上がりです。
隣の歯の色に似せて、少し黄色ベースで裂溝には茶色の着色ラインを乗せてみました。
ダイレクトボンディングで酸蝕歯の治療
顎位、咬合(咬み合わせ)が狂う原因
- くいしばり、歯ぎしりによって咬耗する
- 酸蝕歯(酸っぱいものを食べて歯が溶ける)
- 大きな面積を、保険のプラスチックで修復する
が主にあげられます。
上下の歯の接触は面接触ではなく、点接触が優れています。このHPの中でも随所に咬合の大切さを書いてきました。
下記の患者さんは、典型的な酸蝕歯で歯をすり減らした方です。
朝晩、身体によいのでヨーグルトを食べその後しっかり 数十分かけ歯みがきを、10年近く繰り返してきました。むし歯からではなく、酸によって歯が溶け、そこに習慣的にゴシゴシ歯みがきをしていました。
この歯だけでなく、前歯などにもすり減らした箇所が大分あります。
関連記事
咬合面の山がなくなっています。山と溝があいまいになって、ぺったんこになりつつあります。
その奥の歯も同じく咬合面の溝と山がなくなり、ぺったんこになっています。
古いプラスチックが少し残っていることから、以前大きくプラスチックで修復されていたのかもしれません。
プラスチックはすり減るのです。 長期的に安定した咬合を維持することはできません。
鉛筆で印を付けた所が、かなりすり減ってしまった箇所です。
模型を内側から見ると、上下ぴったり咬んでいます。慢性的に長期にわたって削れた歯は、通常のようには戻せません。
髪の毛1本入っても感じる器官に0.5mmUPさせることも難しいです。しかしこのままでは、もっとすり減ってしまいます。
歯と歯の間の修復中
マイクロスコープ強拡大 修復後
すり減った歯同士がぴったり合っている咬みあわせを元のもどすことはできませんが、少しダイレクトボンディングを足して元の状態に近くなるように修復していきます。
天然歯にそっくりに着色し、山と谷がある咬合面を作る方が簡単で、すり減った形に仕上げる方が難しいです。
肉眼
奥歯2本の歯
CO(要観察歯)と虫歯治療
唇面が、白濁しています。
このような状態を CO(要観察歯)といいます。
※CO要観察歯とは
探針を用いた触診で、虫歯と判定できませんが、着色・白斑など初期病変の疑いのある歯をいいます。
口蓋面
向かって 左の犬歯の隣接面(歯と歯の間)とその奥の臼歯も虫歯があります。
今回の治療計画
1 患者さんの年齢が若いため、唇面のCOは、様子観察で、積極的治療介入をひかえます。
2 定期的な観察(3~6月毎)及びブラッシング指導、食事指導、ミネラルパックにて歯質強化していきます。
関連記事
3 隣接面(歯と歯の間)は、治療をすすめます。
前歯 ダイレクトボンディング2本(隣接面カリエス)
歯と歯の間が、虫歯です。
みかけは、ちょっとの虫歯に見えますが。。。
青いうしょく検知液で、染め出しているところ
表面から、がっちり削るのではなく、裏から、少しづつ削っていきます。
(表面に限られた虫歯は、表面から削りますよ。この虫歯も中で、広がっているむし歯です。
隣の歯どうしが、くっかないように歯の角度に合ったビニールテープで保護し、ダイレクトボンディングを積層していきます。
出来上がり
2本、いっぺんに治したので、少し時間がかかりました。
ダイレクボンディングのリタッチの時期
「ダイレクトボンディングをしたら、いつ頃リタッチすればいいですか?」
「どれくらい、もちますか?」
という質問をうけました。
肉眼写真 ↑上記写真の歯2本のまん中を、ダイレクトボンディングで修復してあります。
修復は、H19で、今回H24年夏に定期検診でこられた患者さんです。5年たちました。
今回の検診の時、治した自分でも見落としました。
答え リタッチは、患者さんそれぞれの状態によって違います。
食生活が、色のつくものが多かったり、喫煙、コーヒーの常用が多かったりすると変色も早いような気がします。はっきりとした答えになっていませんが、全員の患者さんが、××後と一律なのもおかしいと思います。
日常の食生活のあり方いかんでよい状態が保たれることを、記憶にいれておいて下さい。
当医院治療のダイレクトボンディングのリタッチ1歯 5000円~
ダイレクトボンディングで前歯の治療
「この歯が、少ししみる」と言われ、拝見すると1本の歯のところどころが、むし歯になっています。
出来上がってすぐは乾燥していますが、1日たつと自然につやが出てきます。
口腔内の状態は各個人によって異なるため、治療期間・部位・費用は違ってきます。
リタッチの説明
当医院治療のダイレクトボンディングのリタッチ 5500円~
ダイレクトボンディングの治療に限らず、永久的にもつ治療はありません。
1 咬んでいると歯がすり減るように、咬耗によってダイレクトボンディングもすり減ります。
2 オールセラミックをかぶせているわけではないので、色のつく食品によって、色の着色はさけられません。
着色:歯やつめものの表面につく汚れ、茶渋など。
変色:つめものの経年劣化、変化による内部から変色していくこと。
3 咬合力、歯ぎしりなどの側方運動によってかけてしまった部分を補ったダイレクトボンディングは、習慣が変わらない限り、また同じ部位が取れる可能性は大きいです。
咬合力の問題によってかけた部位を補うのは、とても難しくダイレクトボンディング、オールセラミックなど、どの材料で治してもとれる、かけるといったことは避けることはできません。
4 経年による変色、収縮、劣化は、どんな材料も避けられません。
利点
それでは、なぜダイレクトボンディングの治療がよいのか?
1 歯を大きく、たくさん削らない。
1度削ってしまったら、歯は元には戻りません。1本の歯の寿命を延ばすためです。保険の金属冠やさし歯にして寿命を縮めないためです。
2 積層充填するため、天然歯に近い色調を再現できます。
保険のプラスチック治療ですと色調がマッチできないことが多くあります。
3 歯の部位によっては、保険では金属のつめもの(インレー)しかできない場合でも、マイクロスコープを使って必要な所だけ、小さく削ってつめることができます。
患者さんは、 いつまでもつのか?
いくらするのか?
を気にされますが、このHPで何度も書いています。
何年も歯医者をやって、歯を削り、歯を抜き、入れ歯を作ってきました。
その結果をみて、歯を大きく削ると、その歯の寿命が縮むことを実感したからこそ、歯を削らない、何年か経ってやり直しになっても、再びその歯が使えることを念頭にいれて材料を選ぶと、ダイレクトボンディングが、BESTな選択の症例が多数あります。
関連記事
<<この記事を読んだ方は、1日で終わるクリーニングも読んでいます。
ダイレクトボンディングで銀歯をやりかえ
顕微鏡拡大
「左下の金属が取れた」とおみえになりました。セメントがついています。
セメント除去し、形成
充填 途中で、顕微鏡から離れて色と形の確認をします。もう少し、天然歯の透明感をだしたほうがいいかな?もう1度、充填を続けます。
顕微鏡拡大
裂溝に着色をつけて、完成。拡大写真なので、黄色くみえますが、実際は、歯の色と同じようです。
関連記事
<<この記事を読んだ方は、顕微鏡歯科についても読んでいます。
銀歯を白く!!
歯周病でぐらぐらの歯を抜歯しました。
顕微鏡拡大
金属を除去したところ
ダイレクトボンディングで、積層充填してみました。
咬合(かみ合わせ)に影響を与えない小さな金属なら、ダイレクトボンディングに治療し直すことが、可能です。
関連記事
前歯3本の写真
前歯 3歯
マイクロスコープ拡大
前歯 ダイレクトボンディング
治した直後なので、乾燥し白くなっています。数日で落ち着いてくると思います。
各個人によって口腔内の状態が違うため、治療部位・期間・費用は異なります。
関連記事