■セラミックは何年もつの?

■セラミックの治療方法

■セラミック希望の患者さん

セラミッククラウン (自然で美しい前歯、芸能人の前歯)

1960年代はじめに MB:メタルボンド セラミッククラウン(いわゆる自費のさし歯)は審美修復として確立され現在にいたるまで長期にわたる臨床例が蓄積されてきました。
その技術と信頼は確固たるものといえます。

メタルボンド セラミッククラウン

30年の実績をそなえるMBと今日の技術の進歩によって光透過性を備えたAllセラミッククラウンの登場は審美修復を大いに発展させています。

セラミッククラウン

■光透過性ってどういうこと?

MB(セラミッククラウン)は 金属の上にセラミックを張って天然歯と同じ色調をつくりあげてきました。金属色を消すために 金属の上にまっ白の色をかぶせたのちに天然歯に似たセラミックの材料を積層してつくりあげていくため、(光がぬけるような)部位によっては反射するような自然色をつくりあげるのは難しいのです。

Allセラミッククラウンは金属を使わないので光透過性を実現しより自然の美しさを実現できるようになりました。

口腔内の状態は個人によって違うため、治療期間・費用は異なります。わからないことはお電話にてお尋ね下さい。

費用についてはこちらへ→

セラミッククラウン

○MB メタルボンド
  従来からのセラミッククラウン主に臼歯部に使います。 

○Allセラミッククラウン(ジルコニア)
金属を使っていないセラミッククラウン 主に前歯部に適応です。

材料の名称をとってジルコニアとよばれることもあります。

○セラミッククラウン(ジルコニアの治療例→ こちらの治療例へ>>

■再構築ってなに?

口腔内の状態を正しく改善することを再構築といいます。

銀歯を審美性の高いセラミックへ替える時も「白い歯、美しい歯」という方向で、再構築を進めていかなければなりません。 

<セラミックで再構築>

ホワイトニングで歯の白さが改善できない場合や、大部分の歯が治療済みで、あちこちに金属が見えている場合は、天然歯色調が再現できるセラミッククラウン(ジルコニア)で全体のバランスを考え再構築していきます。 

<口腔内全体を改善する費用が難しい場合>

ホワイトニングで自分の歯を白くし、残る予算で銀歯をセラミックに替えて、全体を改善します。

  1. 予算内で目立つ数本の銀歯をセラミックに替えます。この場合はホワイトニングはしませんので、ご自分の歯の色調に合わせる従来通りのオーソドックスな方法をとります。

セラミックは何年もつの?

自費の高い値段をはらったセラミックが何年もつのか、しりたいところです。治療後の状態とその写真をみてみましょう。

 ■ オールセラミック(ジルコニア)の予後

定期検診にいらした患者さんの口腔内

定期検診にいらした患者さんです。

歯肉縁下歯石(根っこについている歯石)除去後の写真のため歯肉が少し赤くなっています。

マイクロスコープ強拡大

マイクロスコープ強拡大
H19年左下臼歯部をオールセラミック(ジルコニア)修復で治しました。
4年後の現在(H23年)の状態です。

オールセラミックは、金属をいっさい使わない修復物のため生活歯に近い明度と透過性を備えています。
この患者さんは、定期にクリーニングを受け、研磨入りの歯みがき粉や電動歯ブラシを使っていないためオールセラミックの輝きが保たれています。 

※研磨剤入りの歯みがき粉は、少量お使い下さい。また電動歯ブラシも過度な使用は控えて下さい。 

 ■MB(メタルボンド)の予後

オールセラミッククラウンの適応症は、原則として審美性が要求される部位で、かつ全部歯を覆う形態が必要な症例です。
全部被覆形態のクラウンが必要な審美補綴において、オールセラミックで困難と思われる症例は、
MB(メタルボンド)が適応と考えられます。
例えば多数歯にわたる連結冠やブリッジ、あるいは単冠であっても削除量が十分に得られない場合はメタルボンドが適応となります。
 
■メタルボンド
金属の上にセラミックをのせて審美性をもたしている冠
H9年MB修復
H9年MB修復
現在H23年 約14年後の予後
 同じセラミックでもオールセラミックとメタルボンドは、患者さんの口腔内状態によって使い分けが必要です。
写真のH9年当時は、オールセラミックと歯質の接着が進んでおらずメタルボンドが主流で使われていました。
現在でしたら、オールセラミックの選択も可能だと思います。
しかし、14年たった現在でも変わらぬ輝きを保ち機能しているのは患者さんの健康とメンテナンスのたまものです。

■ MB(メタルボンド・セラミック)とストレス

MB(メタルボンド・セラミック)とストレス

 向かって右から2番目の写真の歯は、H10年にMB装着の患者さんです。
H23年の現在13年後の状態です。
この患者さんは、定期検診には必ずいらっしゃって理解力も高く丁寧な方でセルフコントロールもよくされています。
最近は、装着したMB(メタルボンド)の状態よりも左隣のWSD(くさび状欠損)が心配です。
MBの色調は、当時WSDのおこっていなかった隣の歯に合わせました。
現在は、MBは問題ありませんが、全体的に見ると不調和がおきています。
 

※WSD(くさび状欠損)
歯みがきのしすぎで歯がえぐれたのではありません。

歯ぎしり、くいしばりが原因で力の集まりやすい歯の根元にダメージが起きている状態。
初診H10年、以前のカルテを振り返り、歯式を調べてみるとH12年くらいからWSDの兆候が見られ、H14年には大分ダメージが入っています。
この患者さんは、職場では責任を強いられる重要な立場の方です。
周りの期待に応えるべく頑張り続けているのが、口腔内の中で見てとれます。
日常のストレスで筋肉が緊張し、そのバランスをとるため、くいしばりや歯ぎしりが起こるとされています。
その結果WSD(くさび状欠損)や歯牙の破切やひびが口腔内に現れます。
どの患者さんも心と身体のバランスがとれたおだやかでリラックスした日常を過ごしていただきたいと思っています。
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セラミックの治療方法 

まず最初に、レントゲン、歯周組織検査、最初いらした時の写真等で全体の状態を把握して、患者さんの要望をお聞きし治療をすすめていきます。

 ■ セラミックの形態

セラミック治療では、色のバリエーションも豊富ですが形や大きさの選択肢も広がります。
単冠(1つ)の歯の形は、隣の歯や左右対称になるように考えて治療していきます。
複数歯を治療する時は、顔全体のバランス(顔の形、長さ)肌の色等を見て歯の形、色、大きさ、長さを決めていきます。
 
写真 William M.Dorfman,D.D.S.
William M.Dorfman,D.D.S.woman
2人の写真を見て下さい。
どちら方の口元も美しいです。
審美歯科で美しいとされている基準の1つに側切歯の長さと形が大切にされています。
 側切歯の長さは、中切歯(真ん中の大きい前歯)よりも側切歯(中切歯の隣の歯)が
・長さがだいたい同じ
・側切歯の方が短い
が美しく見えます。
側切歯の形態
・中切歯(真ん中の歯)と同じ形態
・それよりも丸みをおびたもの
とされます。
審美歯科では、美しく見える長さや形態をDT(技工士)と共に協力してつくりあげます。

セラミックの治療の説明

主訴 「転んで前歯2本が折れた」と来院されました。
大きく歯が欠けていましたので模型を取り、考察し、小さな処置では難しい症例でしたのでオールセラミッククラウンを選択しました。
 TEK
仮歯
最初にとった模型から歯型をうつし、仮歯を入れました。
「なるべく自分の元あった歯のように」という患者さんの希望でしたので術前状態と同じ形と長さに仕上げました。
患者さん、DT(技工士)、歯科医で考え、
・色は少し白めに
・もう少し丸みを帯びたもの
・長さを元の歯よりも短く
ということでまとまりました。
 SET後
オールセラミック SET後
口腔内の状態は個人によって違うため、治療期間・費用はそれぞれ異なります。

■ 連結MBブリッジ

 奥歯も白くという患者さんのブリッジの模型です。
連結MBブリッジ 模型 頬側
連結MBブリッジ
奥歯2本が欠損していて、入れ歯もしくはインプラント補綴が必要です。
奥歯の骨の吸収が大きく、インプラントは、難しい状態です。
また、入れ歯は、患者さんが希望していません。
前の歯を2本使い、1本をプラスしたブリッジです。
咬合面には、少し着色をつけてもらいました。
反対側に比べて、小臼歯2本が少し大きいのは、生活歯(神経を取らない)で治療しているためと、上の歯の関係で大きくなっています。
模型 咬合面
なるべく神経を取らないで治療をした方が、歯のもち度がアップします。
※患者さんが、神経をとらない治療を希望しても、
むし歯が大きすぎる、
歯の傾斜が強い、
対合歯の関係で小さく削らないと補綴物が、入らない等の理由がある場合は、根っこの治療なしで、治療をすすめることはできません。

■アドフィージョン ブリッジ

Try舌側B
アドフィージョンブリッジのTry(試適)です。
舌側から見た状態
3本つなぎのブリッジで真ん中の歯がありません。
Tryの状態なので、セラミックの部分は、まだ白いワックスで、金は磨きあげられていません。
これを患者さんの口腔内に入れて試適してみます。
頬側から見た完成状態
頬側から見た完成状態です。
手前2本は、MBで色を患者さんの歯の色に合わせてあります。
奥は、1周ぐるぐる削らず、頬側の歯質を残してあります。
奥歯でも審美性が保たれます。
舌側から見た完成状態↓
セラミックなどの修復物は、Try(試適)をふんで、色、形、適合状態をみていきます。
舌側から見た完成状態
 
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セラミック希望の患者さん

患者さんの要望に合わせ、セラミックで治療した後の状態です。

■オールセラミッククラウン(ジルコニア)

初診時

 向かって左に歯が少し前に飛び出しています。

右前突側面術前

側方から

右前突術後

 オールセラミック セット

右前突側面術後

オールセラミック セットの側面から

右前突正面術後

■オールセラミック セット後 正面からBとGoldのコラボレーション治療

術前MB+G

右下の歯が1つありません。笑うと見える位置です。

術後MB+G

MB+GoldのコラボレーションSet

数日したら、歯肉がクリーピングしてなじんでくるでしょう。

■ 保険の前歯からセラミック(MB)へやりかえ治療

術前152

H15年2月 

「前歯を直して欲しい」と来院されました。

術後155

H15年5月 

「左に入っている歯は、白すぎて(向かって右)自分の歯じゃないみたいだから、ふつうに見えるようにして欲しい」

という希望でした。

下に入っている入歯に合わせた色にしました。

術後264

H26年4月   11年後


■前歯がすいている方の治療

術前下前歯離開

 下の前歯がすいています。

セット セラミック

すいている幅が、1歯分ないため、重なるような並べ方にしています。

口腔内の状態は個人によって違うため、治療期間・費用は異なります。

治療費についてはこちらへ