「1回で歯のそうじをして欲しい」「早く終わりたい」「何度も来られない」という声がよくありますので、このコースを作りました。
保険適応の歯石除去は、1回の処置で全歯の歯石除去はできません。
保険上の規則です。最低2回以上の通院が必要です。
そのため
- 遠距離にお住まいで、何度も通院する時間のない方
- 結婚式等の用事が、さし迫っている方
- タバコのヤニが気になる方
- コーヒー、緑茶、ウーロン茶等の汚れが気になる方
などでどうしても1日で全歯をクリーニングしたい場合は、自費扱いとなります。
クリーニングで実施する事項は次の3つです。
- プラーク、歯石の除去、バイオフィルム(口の中のネバネバ)の撤去除去
- クロルヘキシジンによる抗菌効果
- Ca(カルシウム)ミネラルパックにて歯質強化を図ります
■PMTC(Professional mechanical tooth cleaning)
クリーニングの費用
上下の前歯12本のクリーニング
笑うと見えるところのみをクリーニングします。
6600円~
上下全ての歯のクリーニング
16500円~
大量の歯石の沈着、多量の汚れの付いている方は、自費治療であっても1回で全ての歯のクリーニングは、難しい場合があります。
数回、来院していただいて歯石除去することをおすすめします。
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クリーニングに使う器具
PMTC(機械的歯面清掃)をする時、ご自身では磨けない所の汚れをとります。
クリーニングには一連の流れがありますが、歯科医院にある全ての器具や目新しい機械、材料をクリーニングをうける全ての患者さんに同じように使うわけではありません。
それぞれの人の口腔内が個々に違うので、使う器具も違います。
いろいろな清掃器具、材料を使えば使うほどよいのではなく、シンプルなクリーニングが一番よいのです。
様々な回転器具、研磨剤入りの薬を使ってみがけばみがくほど汚れは落ちますが、それも程度ものです。
マイクロスコープで拡大して確認すると、薬を使えば使うほど歯も傷ついているのです。
しかし歯の表面は、少しくらいの傷なら※再石灰化しますのでクリーニングによって汚れが取れたあと、また天然の美しさ、強さを取り戻します。
いろいろな器具、いろいろな薬剤を使って治療すること(クリーニングなど)を希望する方がいますが、それも程度ものです。
できるだけシンプルな治療がBestです。
※再石灰化 唾液の力により傷ついた歯にミネラル、イオンを取りこみ自然修復すること。
歯の着色とは
歯が汚れて見える主な原因には、飲食物に含まれる色素やタバコのヤニなどによる着色汚れ(ステイン)があります。
ステインはある日突然ついてしまうものではありません。
毎日少しずつ時間をかけて歯の表面のエナメル質を覆うように蓄積し、やがて目に見えるようになります。
ステインは毎日の歯磨きだけでは落としきることはできません。
歯医者さんで、定期検診を受けクリーニングをしてもらい、本来持っている歯の輝きを取り戻しましょう。
思いあたることはありますか?チェックしてみて下さい。
○毎日コーヒーや紅茶を飲む
○緑茶やウーロン茶が好き
○お蕎麦が好き
○タバコを吸っている
○白ワインより赤ワインをよく飲む
○月2回はカレーを食べている
○疲れた時にはチョコレートを食べる
○ヨード系のうがい薬でうがいをしている
○健康のためにプルーン、ブルーベリーなどを毎日摂っている
○ネギやニラの香辛野菜やキムチなど香りの強い食べ物が好き
<歯周病 全体>
最初の状態
・発赤
・腫れ
・血が出る
・口臭
クリーニングしたあと
・淡いピンク色
・シャープなひきしまった歯肉
プラーク(歯垢)が歯肉に炎症をひき起こし、赤く腫れ出血することから歯周病が始まります。
歯科医院で正しいブラッシング方法の指導を受け、毎日正しくブラッシングをします。
ブラッシングでは取れない歯石、着色を歯科医院でとります。
この場合は、一度のクリーニングでは改善しませんが、患者さんの努力と健康状態が良好ならば、早期に改善がみられます。
口腔内の状態が各人によって違うため、治療期間・治療費はそれぞれ違います。(自費治療の場合と保険治療の場合は費用は異なってきます)
<歯周病 前歯>
・発赤
・歯石
・血が出る
・歯みがきすると痛い
クリーニングしたあと
・引きしまったピンク色の歯肉
・シャープな歯と歯の間
歯周病は、歯と歯肉の間に入ったプラーク(歯垢)や歯石の中にいる細菌によって起こります。
細菌の活動は、歯と歯肉の間の組織を徐々に壊し、骨を溶かしていきます。
この時の生体防御力は、たばこやストレス、生活習慣病などの危険因子によって、大きく左右されます。
※このような歯肉に炎症がある場合は、数回の治療が必要です。自己判断で治療を中断せず最後まで治療を進めて下さい。
改善したのち症状の安定を保って下さい。
3か月~半年に一度、定期検診を受けましょう。
歯周病と出血
歯肉縁下歯石(根っこのついている歯石)
歯肉から出血する部位には必ず歯石がついています。
プラーク(歯垢)は細菌性の沈着物で、歯石はそれが石灰化したもので、それらはむし歯や歯周病を引き起こす因子になります。
下のレントゲン写真は正常な歯槽骨の状態です。右のレントゲン写真は歯周病にかかり骨の吸収がだいぶ進んだ状態です。
細菌性のプラークが歯と歯ぐきの間に入りこんで停滞すると歯肉に炎症が起こります。
その状態が続くと細菌の出す毒素で歯根膜(歯と骨をつないでいる繊維)が破壊され、さらに奥へと進行します。
その結果、歯を支えている骨が溶け最後には歯を失います。
このホームページの《審美歯科と成人病予防》のところにもふれていますが、
プラークの中の細菌は、炎症部の血管内に入り込み、血液を通って全身に流れていき、動脈硬化や心疾患の引き金となります。
※生体のなかで唯一、上皮(動物の体内の器官内表面を覆っている細胞)を貫通し咬合機能している歯牙は、口腔内を常に感染の危機にさらしています。
それでも日頃それほど大きなトラブルが発生しない理由は、歯牙を中心としたその周辺組織が細菌に対する強い免疫防御機構を有しているからです。
この各人が持つ免疫力、再生力をよりパワーアップさせるのが各人の身体のメンテナンスであり、健康に留意する姿勢です。
その反対に免疫力を低下させるのは健康に無関心な生活習慣です。
喫煙者の歯周オペで患部を手術で開けてみると歯根面全周にタバコのヤニが付着しています。
これを全て除去するのが、オペの最初の仕事です。
どんなに時間をかけ治療しても、術直後から再びタバコを吸われると生物学的に歯槽骨の再生というのは非常に難しくなってきます。
歯周病治療にとって喫煙は大敵です。
年齢、口腔ケア状態、全身状態管理、健康を意識した生活習慣によって歯周病の進行度は違ってきますが、なによりも定期的に口腔ケアを受け、各人の持つ免疫力、再生力を引き上げてください。
ブラッシング指導
「歯ぐきが赤いのが、治らない。シコーのせいかしら?」と来院された患者さんの口腔内です。
自分なりにブラッシングはされているようですが、みがけていない所を確認していただくために赤染めで染めだしてみました。
マイクロスコープ拡大
汚れがコロニー(細菌の塊)であることが拡大するとよくわかると思います。
プラーク(歯垢)は、歯周病やむし歯を引き起こします。
セルフコントロール
1 汚れていることを確認し自覚する。
2 その方に合ったブラッシングの仕方をおぼえてもらう。
3 食後、丁寧にブラッシングしてもらう。
上記の3つを実行することがセルフコントロールです。
「赤染めはどこに売っていますか?」
とご質問をいただきました。
大きな薬局やスーパーに置いてあります。しかし、ブラッシングのたびに赤く染めるのは職場の昼休みや外出先では、使うことは無理がありますので簡単なブラッシング確認方法をお知らせします。
みがいた歯面に軽く綿棒をあてて下さい。
黄色く色がつけば、まだみがききれていません。再度、丁寧にみがき直して下さい。
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歯面清掃
マイクロスコープ拡大
上の前歯の裏側です。
定期検診に来られた方で、ブラッシングもよくできています。
それでも日常生活の中で取りきれないくすみがでますので、歯科医院で専門の器具を使い綺麗にしていきます。
綺麗にしたあとです。
本来患者さんのもっている艶を取り戻しました。
歯と歯の間のむし歯もマイクロスコープを使うとよく見えます。
各人によって口腔内の状態が違うため、治療期間・費用が異なってきます。(保険と自費では治療費が異なります)
Q カレー食べると歯が黄色くなりますか?
カレーにはウコン(ターメリック)といった黄色の色素材料が入っています。
ウコン(ターメリック)は食生活の身近なところでカレー、たくあん、チーズなどの着色料、香辛料としても使用されています。
カレーの他に歯に色が付きやすいものは
・コーヒー、紅茶、ウーロン茶
・ミートソース
・麻婆豆腐があります。
クリーニング前の色の付いた状態
クリーニング後
天然歯はクリーニングによって本来の輝きを取り戻します。
セラミックは性状により表面にはあまり色は付きません。
プラスチックの詰め物はプラスチックの性質上、色が付きやすくだんだん濃くなっていきます。
数年たつと黄ばんで変色してしまいます。
矯正治療時に付けるプラスチックのブラケットやゴムも着色しやすいので、色が付きやすい食品はひかえた方がいいでしょう。
※矯正中のむし歯の予防、管理、歯のクリーニング等は、かかりつけの矯正の先生にご相談下さい。
落ちにくい汚れ
のどに炎症がある時に使うヨード系のうがい薬によって染色された茶色い色ややタバコのヤニは、落ちにくい汚れのひとつです。
・歯と歯の間
・プラスチックの詰め物
・歯の溝
・エナメル質の亀裂
等は、器具が入っていきません。しかし器具が入っていかないところにもタバコのヤニやヨードの液体は簡単に入っていき、歯を着色させます。
治療のためプラスチックの詰め物をはずした後にもまだ深部にまでヨードの汚れが侵食していることがあります。
タバコのヤニも歯の表面のエナメル質のつるつるしたところは取れますが、落としきれない部分もでてきます。
ヨード系のうがい薬の使い方や禁煙には、十分気配りをして下さい。
歯肉炎の改善
主訴 「歯ぐきがズキズキ痛い。血も出る。歯もちゃんとみがいていたのに。。」
と言って来院されました。
1か月後
この方にあったブラッシングの仕方をおぼえていただき、上下のスケーリングのみで主訴が改善されました。
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ヨード入り歯みがき粉とうがい薬
Q「ステイン(汚れ)が付かなくなる歯みがき粉ってありますか?」
答え ありません。
なにか特別の歯みがき粉を使ったら汚れが付かなくなるものではありません。
コーヒー、紅茶、ウーロン茶、タバコなどの食品によって汚れが付くので、
汚れの元となる食品をひかえるということが発想の基本でしょう。
タバコの汚れ
タバコの汚れ 拡大
ヨード入り歯みがき粉を常用している人の口腔内
ぱっと見た目は、タバコのヤニのようにも見えますが、タバコのヤニよりも取れにくく、エナメル質の亀裂に入ってしまったら除去が不可能になります。
綺麗にした歯
通常のクリーニングの倍以上の時間をかけてもこれ以上は取れません。
強拡大
エナメル質に色がはいっています。
プラスチックの治療の上にヨードが付着すると、治療のやり直しが必要でプラスチックを削り取っても、まだ深部にヨードが付着していることがあります。
歯面清掃
いつもクリーニングにいらしている患者さんです。
今回はくすみが多いようでしたので、通常より時間をかけクリーニングしました。
各個人の口腔内の状態が違いますので、治療期間・費用が異なってきます。(保険を使った費用と自費では費用が異なります)
定期的にクリーニングをうけている方はよい状態、きれいな口腔内を保たれていますので、クリーニングの所要時間は短縮され、クリーニングに使う器具、材料も当然少しになっていきます。
研磨用ペースト
歯のクリーニング後、ラバーカップやナイロンブラシを使って清掃、研磨をします。
当医院で使っているペーストは、フッ化ナトリウム1000ppmが配合されたものを使っています。(フッ素配合)
クリーニング後のペーストの使用は、研磨、つやだし、ステイン除去の効果があります。
本商品は「RDA値27」と一般的な商品と比較して値が低いので歯牙に与えるダメージが少ないので当医院で使用しています。
※RDA(Relative Dentin Abrasion,相対的象牙質研磨効率)
RDAは特に限定できるものではありませんが、20~120が好ましいとされています。
RDA120、170、250などの商品が多く使われています。
病原性バイオフィルム
むし歯および、歯周病の予防にはプラーク(歯垢)の除去が重要です。
抗生剤、殺菌剤をはじきとばす病原性バイオフィルム(アクティブなプラーク・活動性のある歯垢)は、通常のブラッシングだけでは十分に取りきれません。
より入念なPMTC(professional mechanical tooth cleaning)が重要です。
※ PMTCとは、専門家による機械的歯面清掃と専門家による歯肉縁上ならびに歯肉縁下1~3mmのプラークを、機械的な回転器具とフッ素含有プロフィーペーストを使って選択的に除去することです。
ツヤのある歯とない歯の違い
歯のツヤを低下させる原因の解明が、花王株式会社のヒューマンヘルスケア研究センターと、解析科学研究所によって行われました。
『人の歯を解析したところ、ツヤのある歯の表面は平滑だったのに対し、ツヤのない歯の表面には、小さな凹凸が存在していました。つまり、歯の表面に存在する凹凸が光を乱反射し、歯のツヤを低下させる原因と説明されました。
さらに、この凹凸は、無機物と有機物が混在した構造をしている沈着汚れの付着であることもわかりました。』
上記の研究結果からもわかるように、歯の沈着汚れが付着すると、歯のツヤは失われます。
定期的な歯のクリーニングを行い、ツヤのある美しい歯を保ちましょう。
歯石除去で心血管イベントのリスクの低下
2011年 第84回 米国心臓協会・学術集会で台湾のZu-Yin Chen氏が、
「過去に歯石除去を少なくとも1回受けたことのある人は、歯石除去を受けたことのない人に比べ、心血管イベントのリスクが低く、歯石除去の頻度とリスク減少の程度は、関連する」と発表しました。
※心血管イベントとは
心筋梗塞その他、心血管系の病気
Chen氏は、台湾の大規模住民データを解析し(1995-2007年 住民データ利用)し、
過去に歯石除去を少なくとも1回受けたことのある群と歯石を受けたことのない群にわけ、平均7年間の追跡調査を行いました。
急性心筋梗塞
脳卒中の発生
総心血管イベント全てにおいて
リスクの低下が、歯石除去群において認められました。
また、歯石除去の頻度が多いほどリスクが減少する有意な関連も認められました。
Chen氏は、以上のデータから、「毎日の歯みがきに加えて定期的に歯石除去を行うことにより、口腔内の衛生が保たれ、将来の心血管イベントのリスクが低下することが裏づけられた」と結論づけています。
インプラントとは
インプラント治療とは、歯の抜けた部分の顎の骨にインプラント(人工歯根、金属のしん)を 埋め込んで、その上に 支台部+セラミックの人工歯をかぶせることをいいます。
歯を失った原因が歯周病なら、なおさら他の歯のケアと同様にインプラント部分もケア・メンテナンスを おこたらないようにしないと、インプラントを入れた部分の歯肉が腫れたり骨の吸収が進んだりします。
クリーニングして綺麗になった方
【当医院患者さんのクリーニング状況】
毎月の治療内容(患者さんの主訴)は、おおむね
1 先月からの治療の続き
2 初診(各患者さんにより、主訴は異なります)
3 定期検診
4 クリーニング
上記のような内容です。
上記の患者さんのほぼ全員100%が、クリーニングを受けています。