審美とMI
MI:ミニマルインターベンション(minimal intervention)とは最小侵襲治療(あまり削らない治療)のことをいいます。
私は最少の侵襲で最大限の効果をあげる処置をすることがMIだと思っています。
歯を大きく削られて喜ぶ患者さんはいません。
現状を理解した上で患者さん側に立った治療を患者さん自身で選択するべきと思っています。
歯医者が患者さんの歯を大切にする。
↓
患者さんも自分の歯を大切にする。
↓
歯科医院は歯を破壊する所ではなく守る所であることを相互理解する。
↓
MI実現
審美と接着とは
私が歯科医になった頃は、接着という分野は実現できておらず合着が主流でした。
接着とは歯質と修復物が一体化することです。
合着はむし歯を削った所にセメントで銀歯をつけます。
壁にタイルを張っていくのと似ています。タイルは壁にセメントをつけてはっています。
タイルがはがれ落ちることがあるように「銀歯がとれる」こともあるのです。
科学、技術の進歩で接着が可能になり、Allセラミックが現実のものとなったのです。
審美修復
2次うしょく(治した所が再びむし歯になる)の危険性を遠ざける治療
再修復の規模を大きくさせない修復
これらを可能にさせたのが接着の進歩です。
審美の型の採り方(保険の型取りとの違い)
保険で使用されている印象剤
・アルジネート印象剤
・寒天印象剤
自費で使用している印象剤
・シリコーン印象剤
・ラバー系印象剤
・その他
左:アルジネート+寒天印象剤
右:シリコーン印象剤
同じ模型で、同部位を印象した内部です。
左のピンク色が、アルジネート+寒天印象剤で保険で使われるものです。
右の青いのが、シリコーン印象剤で自費治療で用いられています。
印象を採った直後の写真ですので、大きな違いはでていません。
寒天印象剤の方は、3分もたつと変形が始まります。
保険で使用している寒天印象剤は、食品の寒天と同じ海藻からできています。
高温で溶けて、低温で固まる性質を利用し、寒天の流れのよさを利点として使用されますが、欠点は 寒天は、水分を多く含んでいるために、時間が経つと変形してしまいます。
せっかく作ったSet物が、口腔内で適合せず、再度作り直しになることも日常診療には、ままあります。
患者さんに迷惑をかけて、申し訳ないのですが、寒天の性質上100%乾燥変形なしの印象が採れることは、ありません。
自費診療で使用しているシリコーン系印象剤は、もっとも精密で型取り後、2~3日してもその精密さを保っています。
そのため限りなく隙間のないぴったりした詰め物やかぶせ物が出来上がります。