骨粗鬆症の人が歯科医院にかかる時の注意
現代、骨粗鬆症にかかっている方は、1000万人を超えるといわれています。
その方たちは、骨粗鬆症は歯周病によって悪化することをご存知でしょうか?
骨粗鬆症とは
骨密度が減少し、骨がスカスカになって折れやすくなる病気で、女性に圧倒的に多くみられます。
60歳以降に急激に増加し、半数以上の女性が骨そしょう症といわれています。
昨今、若い女性もダイエットによる骨量低下が心配されています。
■こんな時は検査を
下記の症状があったら、検査を受けてみましょう。
1 原因もなく、腰や背中がだんだん痛くなってきた
2 顔を洗うなど、前かがみの姿勢をとるとつらい、腰が痛い
3 せきやくしゃみをすると腰や背中が痛む
4 猫背になってきた、腰が曲がってきた
5 腰から足にかけて痛みやしびれ、冷感がある
6 あおむけに寝られない、寝返りをうつと腰や背中が痛い
骨粗鬆症とは
東京歯科大学臨床検査学研究室教授 井上孝先生 文献より
【骨粗鬆症】とは、骨形成速度よりも骨吸収速度が高いことにより、骨に小さな穴が多発する症状をいう。
症状は骨の変形、骨性の痛みを呈し、さらには骨折の原因となる。例えば日常生活程度の負荷によっても、骨折を引き起こす。
骨折してしまうと、骨折による痛みや障害はもちろん、大腿骨や股関節を骨折した場合はいわゆる高齢者の寝たきりにつながり、生活の質を著しく低下させる。
海外の骨粗鬆症の診療ガイドラインでは、砂糖や動物性食品はカルシウムを奪う『骨泥棒』と揶揄され、骨粗鬆症の予防のために、アルカリ性食品を摂取するように言及している。また、野菜と果物を多く食べた子供は尿によるカルシウムの排出量が少なく、野菜と果物の摂取量が多いほど骨密度が高いという研究結果が老若男女それぞれにある。
骨粗鬆症と喫煙
喫煙は、直接作用としてニコチンやカドミウムが骨細胞に直接働き、間接作用としては小腸からのカルシウム吸収の減少、ビタミンDの不足、副腎皮質ホルモンや性ホルモン代謝の変化が非喫煙者に比べて低いなどが報告されている。
これらの影響で、喫煙者は非喫煙者に比べて、オステオカルシンなどの骨形成マーカーが低く、NTXなどの骨吸収マーカーが上がり、骨粗鬆症をきたしやすいともされている。
■効率のよいカルシウムの摂り方
1 ビタミンDといっしょにとりましょう
ビタミンDはカルシウムの吸収をよくしてくれます。
ビタミンDの多い食品《カツオ、ブリ、サンマ、サバ、サケなどの魚。干しシイタケ、卵》
2 運動をしよう
運動をして骨に負荷が加わると、カルシウムの骨へのとりこみがよくなります。
3 和食+牛乳
効率よくカルシウムをとるには和食がベターです。和食にはビタミンDの多い食品が使われることが多く、カルシウムを奪う糖分、油分が少ないからです。
世界の健康食和食+牛乳瓶1本が最適です。
【骨そしょう症のお薬を服用している方へ】
骨そしょう症の治療薬の中に【ビスフォネート系薬剤】と呼ばれるグループのお薬があり、副作用としてあごの骨の壊死(組織が死ぬこと)や骨髄炎がおこることがあります。
歯科治療を行った際にもあらわれることがあるため、歯科治療を受ける前に必ず歯科医師にこのお薬を服用していることをお知らせ下さい。
下顎臼歯部に壊死様の骨露出を認める症例
【写真 大阪大学 口腔分子免疫制御学講座
生化学教室教授 米田 俊之先生資料より 】
ビスフォネート系飲み薬
アクトネル錠 2.5mg
アクトネル錠 17.5mg
ダイドロネル錠 200mg
フォサマック錠 5mg
フォサマック錠 35mg
ベネット錠 2.5mg
ベネット錠 17.5mg
ボナロン錠 5mg
ボナロン錠 35mg
ボノテオ錠 1mg
リカルボン錠 1mg
ビスフォスフォネート系注射剤
ゾメタ
アレディア
オンクラスト
ビスフォナール