正常な歯数は、乳歯20本、永久歯32本(親知らず含む)に一致しない場合を歯数の異常とします。

1つは、過剰歯(歯数過剰)ともう1つは先天欠損(歯数不足)です。

下の写真は、過剰歯です。

過剰歯

歯の数の異常の割合

先天欠損

日本小児歯科学会の調査によると親知らずを除き、永久歯の先天欠損がある割合は10.09%です。かなり高い数値が出ています。

過剰歯

一方、過剰歯は先天欠損よりも発現率が低く、矯正歯科学会の報告では、過剰歯の割合は5.1%(男性9.3%>女性2.9%)と男性が女性の3倍となっています。

過剰歯の原因

女性よりも男性に多く、原因はほとんどわかっていません。

過剰歯の形や大きさは、正常な歯とほとんど変わらないものもあろますが、小さいものは、不整で奇形なものまで様々です。

乳歯よりも永久歯に見られることが多く、永久歯の上に歯の真ん中に過剰歯が出てくることが多いです。小さく尖った形のものがほとんどですが、まれに形の大きい過剰歯もあります。

過剰歯があると危険な理由

1 見た目が悪くなる

上の歯の真ん中に過剰歯があることが多く、真ん中の歯が2本でなく3本ある不自然な前歯になります。

過剰歯を抜く時期が遅いと真ん中があいたすきっ歯になります。

2 根っこが吸収することがある

過剰歯の隣の歯の根っこを溶かしてしまうことがあります。過剰歯がはえている位置が悪いと、隣の歯の根っことぶつかって、よい永久歯の根っこを溶かしてしまいます。隣の永久歯がぐらついてきたり、神経が死んでしまうダメージがおきることもあります。

3 永久歯が出てこないことがある

子供の前歯(永久歯)がなかなか出てこない。顎の骨の中に過剰歯があると(前歯の真ん中にあることが多い)その場所のはえてくるはずの永久歯が、過剰歯の存在がじゃまして、はえてこられないことがあります。レントゲンをとればわかります。

※ 乳歯・永久歯の有無や萌出の位置を判断するための全顎のレントゲンは保険適応外です。

過剰歯は抜歯するの?

歯並びを悪くしたり、隣の永久歯の根を溶かすこともある過剰歯は、早めに抜歯することが必要です。過剰歯の多くは子供の頃に見つかりますので、早めに抜けば、歯並びが極端に悪くなるのを防げます。

大人になってからの抜歯

大人になってからの抜歯は、骨が硬いため子供の頃の抜歯よりも難しい傾向にあります。

前歯の真ん中にはえている過剰歯を抜いた後は、見た目を整えるために矯正治療をすることが多いです。

抜歯をみおくる時

一般的に過剰歯は抜歯の対象ですが、骨の深いところに埋伏している場合は、悪影響の心配がなければ、そのままにしておくこともあります。