5/31 世界禁煙デー

2009年12月19日にWHO(世界保健機構)は2010年5月31日の世界禁煙デーのテーマを『Gender and tobacco with an emphasis or maketing to woman女性のタバコの売り込みをやめさせよう』と決めました。

タバコの煙

喫煙者の口腔

タバコの煙には、わかっているだけで4000種類の化学物質が含まれています。そのうち有害物質と認定されているのは200種類以上、うち40種類以上が発ガン物質です。

タバコの煙には、本人が吸う『主流煙と、タバコの先から立ち上がる『副流煙』があります。

副流煙のほうがニコチンで2.8倍、一酸化炭素で4.7倍などの主流煙より毒性が強く、発ガン物質もたくさん含まれています。

また、副流煙は強いアルカリ性のため、主流煙より粘膜刺激性が強くなります。
置きタバコの煙で目や喉が痛んだ経験のある方も多いでしょう。
この副流煙を、自分の意思とは無関係に吸い込んでしまうことを『受動喫煙』と言います。

写真  松岡晃先生 【喫煙と歯肉】より

13歳→24歳 

受動喫煙

受動喫煙によって病気にかかる危険度は、肺がんで1,19倍、心臓病で1.25倍にも高まります。

妊娠中の喫煙が低体重児の出産、早産や流産の原因となる事は広くしられていますが、母親が喫煙者でなくても、近くにタバコを吸う人がいれば、赤ちゃんは胎内にいる時から受動喫煙の影響を受ける事になります。
こうした赤ちゃんは生まれてからも発育が遅れたり、気管支喘息や気管支炎などにかかりやすくなるほか、乳幼児突然死症候群の危険性が5倍近くになるという研究報告もあります。

口腔内への影響 5項目

タバコは口腔内にも大きく悪影響を与えます。

1主な歯科的弊害は歯周組織の破壊

2インプラントの成功率低下

3免疫機能の低下

4悪性腫瘍(癌)の誘発

5口臭

などです。
喫煙率が、1日10本以上になると歯周病になる危険率が5.7倍に跳ね上がると報告されています。

タバコが口腔内に与える危険 3項目

1.免疫力・修復機能の低下

喫煙していると、歯肉の免疫力や修復機能が低下してしまいます。また、タバコに含まれるニコチンの作用より、末梢血管が収縮してしまうと、<血液循環が悪くなり、歯周病になりやすく、治りにくいという状態に陥ってしまいます。

2.インプラント手術成功率低下

人工歯根を顎の骨に植えるインプラント手術の成功率も喫煙者では約10%低下すると言われています。
これも血流が悪いことが成功率低下の原因になる為です。

3.歯肉の変色

歯肉がメラニンの沈着により黒ずむのはもちろんのこと、副流煙によって、親がタバコを吸っている子供の約80%にも歯肉の変色が見られます。また子供の場合は副流煙により、むし歯が2倍になると言われています。 

どうして禁煙は難しいの?(たばこをやめられない理由)

タバコに含まれているニコチンは、ヘロインや覚せい剤と同様の薬物(ドラッグ)です。
依存性は大変強く、喫煙習慣の本質はヘロイン級の薬物依存症なのです。

また、食後やコーヒーを飲むときに条件反射のように吸ってしまう『習慣性依存』(心理・行動的依存)もあります。
このようにタバコはニコチン依存と習慣性依存といった2つの依存を引き起こします。
禁煙にはもちろんあなたの意思も大事ですが、『依存症を治療する』という意識が必要です。 

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