なぜ、下の歯の裏の骨が出っ張ってくるのか?
以下のどれかにあてはまる方は、よく読んで下さい。
- 下の歯の裏にできものができたみたい
- ベロでさわったら、ゴツゴツしている
- 最近、下あごの裏が出っぱってきた
- 歯医者で、骨が出ているから、入歯づくりが大変と言われた
「下の歯の裏の骨が出っぱってきた。別の病院に行ったら癌じゃありません、と言われ、じゃ、何なんだろう?診て欲しい。」
と患者さんが来院され、実際にあった話しです。
1つ、1つ説明していきますので、ご安心下さい。
近年、多くなる骨隆起 骨の出っぱりの原因は何なんだろう?
学術書には、
骨隆起
口蓋正中縫合部、および下顎骨小臼歯舌側に発現する骨増生を骨隆起という。原因は不明であり、単なる隆起で腫瘍性病変は全く欠如しており、青年期以降に次第に増大するが、普通はある程度増大すると自然に停止する。
と書かれています。
発生原因はまだ明らかになっていませんが、現在では、遺伝や力との関連性が指摘されています。
☆歯科医師は、どうやって原因を見つけるの?
歯科医師は、骨隆起がみられる方の口腔内全体を見て、原因を考察していきます。
骨隆起が確認されたからといって必ずしも力が関与しているとはいいきれませんので、原因をさぐるために、口腔内全体を診ていきます。
咬耗・修復物表面性状の変化・エナメル質の亀裂・楔状欠損・歯の圧下・頬粘膜・舌圧痕・骨吸収・修復物の脱離・顔・歯列のゆがみ・歯の移動・舌癖・過蓋咬合の進行・歯肉退縮の進行・歯冠破折・歯根破折・口腔周囲筋の緊張
などの全体を見ていきます。
☆骨隆起は、ほっといていいのか?
結論から言います。癌ではないので、ことさら心配することはありません。
しかし上記の口腔内症状が、複数確認された場合は、力が過剰にかかっています。
ストレスが多い生活が続くと、それを発散するために、歯ぎしりをするとされます。
歯ぎししりの過剰な力が、歯をすり減らし、骨隆起をつくりだすともいわれています。
骨隆起は、歯ぎしりと関係あるのか?
1度、歯科医院に来院され、口腔内全体のチェックが必要です。
歯ぎしり、くいしばり、咬みしめ等がないか確認し、【力のコントロール】が必要となります。
☆噛みしめ・歯ぎしりしている方へ 力のコントロールのすすめ
現代社会のストレスの中、歯ぎしり・くいしばりは程度の差こそあれ誰もがしています。
「無意識でしているものをコントロールできるのか?」と思うかもしれませんが、大丈夫です。気付きさえすれば減らすのは簡単です。
1リラックス
「絶対、歯ぎしりをやめる」ではなく、「やめたらリラックスできるかな?」とよいほうに考えて下さい。イメージトレーニングはスポーツ選手がやっている自己暗示法です。
2スポーツ・重たいものを持つ時は、ぐっとくいしばらないように気を付けて下さい。
3上下の歯が当たっていませんか?
ごはんを食べている時以外は、上下の歯が触れ合っているのは1日で5分程度です。
4高いまくら
5マウスピース
歯科医院でマウスピースを作り、食事中以外ははめて自己観察していただくと、激しく歯ぎしりする方は1日で穴があきます。
骨隆起は、歯ぎしりやくいしばりが強い方に多くみられます。歯のすり減りやゆさぶられる骨のダメージを防ぐためのもマウスピースを使うのは有効です。
☆骨隆起の除去手術
骨隆起の出っ張りが、入歯のじゃまをしている場合は、骨隆起を除去する手術が行われる場合もあろます。