「歯が、冷みる。知覚過敏かも?」

よくCMの中で使われている言葉です。
しみるな、と思ってもいつもではなく、アイスクリームを食べた時だけとか、時々しみるという方もいるのではないでしょうか?
症状は、自然に治まってしまう軽度なものから、常にしみる症状まで様々です。 

アイスクリーム

軽度の知覚過敏が治まってしまう理由

唾液由来の石灰化物などでできているスメア層というものが、象牙質を覆うからです。
そのおかげで神経に直接刺激が伝わりにくく、痛みとなって現れないのです。
このスメア層は、ゴシゴシみがきや酸性の食品で容易にはがれてしまいます。
しかし、スメア層は時間が経てば作られます。すると自然に知覚過敏の症状が治まっていたということがあるのです。

歯ぎしり

まさかのしみる原因が、歯ぎしり・噛みしめ だった!

歯ぎしりなんてしていない!!と思った方は以下をよくお読みください!

歯ぎしり

歯ぎしりは、たまっているストレスを就寝中に発散する行動とされています。
また脳に酸素を送る手伝いをしているともいわれています。

しかし、過度な歯ぎしりの過剰な力が、健康な歯や治療済みの歯を少しづつ破壊していきます。
本来なら上の歯の犬歯は、犬歯というだけあって尖っているものです。しかし、最近はすり減ってしまって犬歯の形をしていない方も、多くみられます。正常なら100年かけても1mmしか、歯は減りません。

噛みしめ

また噛みしめ過剰な力も問題です。
上下の歯はふだんは、ふれあっていません。少し浮いた感じが自然です。食事以外で上下の歯がふれているのは、1日5分程度です。

歯に常時強い力が加わり続けると、硬いエナメル質にもヒビが入ります。
歯の根元もくさび状欠損ができ、エナメル質が擦り減り損なうのです。(力の集まりやすい根元が影響を受けます)
歯ぎしり・噛みしめは、歯に大きなダメージを与えているのです。

 

知覚過敏

歯がしみる9つの原因

しみる原因9つです。

1 歯ぎしり・噛みしめ

エナメル質にヒビがはいったり、歯の根元がえぐれてきて象牙質が露出ししみてきます。

2 歯ぎしりで歯が擦り減る

奥歯の山がなくなり、ぺったんこになったり、前歯が欠けたりします。

3 歯周病で歯茎が下がる

歯周病になると歯肉がやせ、歯肉が退縮し象牙質が露出するためしみてきます。

4 酸・酸っぱいもので酸蝕症に

酸っぱい食品を食べ過ぎると、エナメル質はだんだん薄く弱くなり、象牙質が露出し、知覚過敏になります。

5 ホワイトニングのし過ぎ

日本人の歯は欧米人に比べ、黄色く、これをまっ白にするには徹底したホワイトニングが必要です。知覚過敏のリスクも高くなります。

6 歯みがきのし過ぎ

ワイヤーブラシか?と思うほどの固いブラシで磨かないと気のすまない人。
電動歯ブラシで1日に 何度もみがく人。過度な電動歯ブラシの使用は歯肉退縮をおこします。
美白歯磨き粉を、多量に使ってみがく人。美白歯みがき粉では、歯そのものは白くなりません。

7 歯の破折・亀裂

なんらかの原因で亀裂が入った歯は、しみてきます。

8 加齢

1部の歯だけではなく、全体的に歯肉退縮がおこり、象牙巣が露出するためしみてきます。

9 虫歯

虫歯じゃないのに歯がしみるときの治療

治療の第一は自己管理「セルフケアです」

自然治癒

 一過性のごく軽い痛みなら自然治癒に向かいます。

簡単な治療

2 冷みるのが強い患者さんには、セルフケアだけでは限界があります。

1度しかはえてこない歯ですから、なるべく軽い処置から始めていきたいと思うのが歯科医師の気持ちです。
・レーザー治療や
・表面にコーティング剤を塗る治療
軽い知覚過敏でしたら、数回の処置で歯にダメージを与えることなく痛みが消えていきます。

中程度の治療

 歯が擦り減ったり、くさび状欠損になっている所を
・レジン(保険)や
・ダイレクトボンディング(自費)
で埋める方法があります。歯と同じ色の材料を使い優れた方法ですが、原因の歯ぎしり・くいしばりをやめないと修復処置された場合でも、とれてしまいます。それほど歯ぎしり・くいしばり・噛みしめの力は強いものです。

根っこの治療(神経の治療)

4 上記2、3の治療を施しても痛みが強く、冷みる場合は表面的治療では痛みはとれません。
歯を削って神経を取り大きなむし歯治療同様の治療が必要です。