長年の歯ぎしりで欠けてしまった前歯の写真
質問 「夫の歯ぎしりで夜中に目が覚め、寝不足で困っています。治し方や防止グッズなどがあったら教えて下さい。」
歯ぎしり 食いしばりの影響
睡眠中に本人が気づかずにする歯ぎしり(ブラキシズム)は、ストレスやかみ合わせの悪さが原因の場合が報告されています。
ひどい時は、歯や歯周組織の損傷ばかりか、全身にも悪影響を及ぼすことがあります。
歯ぎしりを長年続け、前歯がかけてしまった症例
臼歯の歯と歯肉のきわは、くさび状欠損が、できています。
クレンチング・タッピング
歯ぎしりは、よく知られていますが、無意識の行われるものとして、そのほかにぐっとかみしめるクレンチング(食いしばり)や、歯と歯を触れあわせてカチカチさせるタッピングなどもあります。
起きている時は、ご飯を食べる時以外に上下の歯が触れているのは、1日の中で5分もありません。
いつも上下の歯を噛みしめている人は、よい状態といえませんので気をつけて下さい。
唇は閉じられていても上下の歯が、ガッチリ噛んでいてはいけません。
スポーツ選手などで、歯を噛みしめることが必要な方は、歯医者さんでスプリントを作ってもらって使用したほうがよいでしょう。
かむ力の影響(咬合力)
しかし就寝中は、長時間上下の歯が当たっています。
さらに、歯ぎしりは、ほとんどが通常咀嚼時のかむ力(咬合力)の数倍から10数倍に相当すると報告されています。
こうした力が持続的に加わると、歯が擦り減ったり、歯の破折や、修復物の脱離の原因となると考えられています。
さらに長期間持続すると歯周組織が破壊されたりするのはもちろん、肩こり、顎関節症などさまざまな症状を引き起こします。
答え 歯ぎしりは疲れやストレスで精神的に不安定な時に起こりやすいとされています。
リラックスして過ごされると同時に歯の摩耗を防ぐためにマウスピースを作るといいでしょう。
歯ぎしりの5つの治療方法
1 スプリント方法(マウスピース装着) (マウスピース製作は保険適応です)
2 咬合調整
3 自己暗示法
4 精神安定
5 ストレスの緩和
ストレスなどの患者さん自身が持つ心理的状態や、悪習慣、そしてかみ合わせの不調和などといった原因をつきとめ、解決することが大切です。
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