「ベロが白くこけみたくなっています。これって病気ですか?」
「ベロの奥のほうが白くなっています、ピンク色になりますか?」
上記のように言われて来院する患者さんがいらっしゃいます。
口を開けて舌の表面を見ると、白い苔のようなものが付いていることがあります。これを舌苔(ぜったい)といいます。
舌苔にはプラーク(歯垢)と同様に多量の細菌や、それらの細菌によって分解、腐敗された物質などが含まれています。
そのため舌苔は、歯周病と共に口臭の2大原因の1つと言われています。
ですので舌をブラッシングすることは効果的です。
舌苔の2大原因
1 乾燥 唾液の分泌が少なく、口腔内が乾燥している時に舌苔は多くついてきます。
2 体調不良 体調不良で免疫力、抵抗力が落ちてしまうと細菌が増殖し口臭の原因になります。
危険な白く厚い舌苔!!
定常な舌は、舌全体が薄いピンク色でうっすら白く舌苔がついているのは問題ない状態です。
白い苔状のものが厚さをもってついているのは、心身の状態に問題がある場合が多いです。
写真 九州歯科大学教授 柿木 保明先生資料より
・ 疲労がたまつている時
・ 代謝機能が悪い時
・ 風邪や高熱
・ 口内炎がでている時
・ ストレスによる不眠、メンタルが弱っている時
・ 喫煙者の方は舌苔が増加します。
・ 加齢 女性の場合、更年期や生理の時の性ホルモンの乱れから舌苔が増えることがあります。
質問 「自分の舌に舌苔が付いているようですが、どうしたらいいですか?」
答え 舌苔は歯周病や口臭の原因のひとつです。舌も歯と同様にみがくとよいです。
どうやってみがいたらいいの?
舌のブラッシングには、普通の歯ブラシを用いてもよいですし、舌ブラシや舌ヘラと呼ばれる器具などを用いてもよいと思います。
使い方は、歯や歯肉のブラッシングをした後にこれらの器具を舌にあてて、軽い力で5~10回ほどかきだすようにします。
この時、強くあててしまうと舌の表面が荒れてしまい、かえって舌苔が付きやすくなってしまうので、十分注意して下さい。
1回で全ての舌苔を取ろうとせず、舌をブラッシングすることを習慣にするとしだいにきれいになってきます。
※普通の歯ブラシを使う時は、毛先は柔らかめのものを使って下さい。固めのブラシを使うと舌を傷つけてしまいます。
睡眠中の口の中は、唾液の分泌量が少なくなり、細菌が増殖しやすい状態になっています。
起床時に口臭が強くなるのは、そのためです。
舌のブラッシングを行うタイミングとしては、就寝前と起床時が効果的です。
舌苔を取る3つの道具と注意
1 舌専用ブラシでとる
・ ゴシゴシ強くみがくとベロにある乳頭(赤いつぶつぶ)をひきちぎったり、傷つけて痛くなります。
・ 舌の根基まで無理にみがこうとすると嘔吐反射を起こして、えづいてしまうので、ゆっくりそっとみがいて下さい。
2 使っているいつもの歯ブラシでみがく
いくつもの道具を使うのは、忙しい日常生活の中難しい方は、軟らかい歯ブラシでそっとみがいて下さい。
3 歯磨き粉はつけない
舌をみがく時に、研磨剤・ミント剤などの香り入りの歯磨き粉をつけると舌に過剰な刺激を与えかねませんのでひかえて下さい。
効果的な舌清掃時間
睡眠中の戸血の中は、唾液の分泌量が少なくなり、細菌が繁殖しやすい状態になっています。起床時に口臭が強くなるのはそのためです。舌のブラッシングを行うタイミングとしては、就寝前と起床時が効果的です。
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