智歯周囲炎(親知らず)について
医学書院 標準口腔外科学より
智歯周囲炎
【原因】
直接的原因は、ブドウ球菌・レンサ球菌をはじめとする化膿菌であるが、間接的原因としては、下顎智歯の萌出不足による不完全萌出、萌出方向異常、位置異常とそれに起因する歯肉膿が不潔となりやすいことがあげられる。
【症状】
歯肉の軽度腫脹、発赤、自発痛、圧痛を生じる。さらに炎症が進行すると嚥下痛、開口障害、37~38℃の発熱がみられる。
【治療】
洗浄、殺菌消毒剤の塗布。炎症消退後に智歯の抜歯を行う。
親知らずにダイレクトボンディングをしない理由
親知らずのダイレクトボンディング治療はお引き受けしていません
「親知らずのむし歯をダイレクトボンディングで治して欲しい」
「他の病院で親知らずを抜くと言われた。ちゃんと生えているのだから、抜かずにダイレクトボンディングで治して欲しい。親知らずを抜かなければならない意味がわからない」
などの訴えが時にあります。
理由
智歯周囲炎(上記のような症状)があれば、ダイレクトボンディング治療での治癒は、期待できません。
智歯周囲炎の症状がなかったとしても、親知らずは、1番後方に位置しているために治療器具が入っていかず、また口腔粘膜がじゃまして治療困難です。
まれに例外もありますが、基本的に親知らずのダイレクトボンディング治療は、お引き受けしていません。
親知らずの根管治療はお引き受けしていません
「歯は1本でも残したほうがいいと、皆が言っている。親知らずを抜かず、根っこの治療をして欲しい」と言われる方がいました。
歯の解剖学 金原出版株式会社より
理由
親知らずの根管形態は、複雑で法則性がありません。
また1番後方歯ですので、患者さんに最大大きく、口を開けていただいても器具がひっかかって、入っていきません。親知らずの根管治療は、お引き受けしていません。