大沢 博先生 岩手大学名誉教授 は、心の健康栄養は、現代社会にそのままあてはまると言っていらっしゃいます。

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低血糖とは

砂糖を過剰に摂取すると、膵臓のインスリン分泌機能が促進され、血糖降下作用をもつインスリンが過剰に分泌されます。その結果、血糖が低下してしまいます。血糖は細胞のエネルギー源であり、とくに脳細胞はブドウ糖しかエネルギーとして使えないので、低血糖状態は心身のさまざまな症状を起こします。 

疲れ、うつ、集中力低下、感情をコントロールできない、いらいら、怒りっぽくなる、恐怖、がまんできない、立ちくらみ、忘れっぽい、心が空白になる、自殺したくなる、暴力をふるうなどです。
筋力低下、筋肉硬直、ふるえ、不眠、眠たい、無感動もあります。

攻撃的になるのは、血糖値を上げるために、グリコーゲンを肝臓から放出する〝攻撃ホルモン〟のアドレナリンが、副腎から放出されるためです。

糖尿病治療中の患者が、人工インスリンを過剰に注射した場合に起こる低血糖はよく知られていますが、砂糖などの過剰摂取で起こる機能的低血糖症は、今まであまり問題にしてこなかったようです。

糖尿病

糖尿病は、ホルモンのひとつであるインスリンが不足したりその働きが十分でないために起こる病気です。インスリン依存型とインスリン非依存型の2つのタイプに分かれます。

低血糖症の症状

1997年の米国上院栄養問題特別委員会公聴会での、保護監察官リード女史の報告

『1974年、ある男が銃を持って、妻と2人の子供とともに、家に閉じこもってしまった。妻子を殺して自分も死のうとしていた。
結局、警官の説得に応じた後、精神病院に入れられ、徹底的に精神安定剤を投与された。

リード女史は1週間後彼に会い、低血糖の症状のテストを実施した。63の症状が該当していた。15以上であれば、ひどく病んでいるのである。

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そこで彼にビタミンB3(ナイアシン)が多いサプリメントをとらせ、食事で野菜、果物。タンパク質食品を摂るようにすすめた。
この男はそれまでの食事はじゃがいもと豆、それに缶入り食品、発砲飲料、ポテトチップスというものだった。

リード女史は、彼の妻に教えて、毎週新しい野菜を摂らせた。5か月後、彼はリード女史のオフィスにとびこんできた。
彼は生き生きとしていて「私は31歳ですが、人生で初めて気分がよいというのがわかりました。」と言った』

リード女史の低血糖の症状報告 106人の犯罪者のチェック報告

・ひどくイライラすることがある
・時々集中困難になる
・とても我慢できない
・とても落ち着けない
・コーラなどの飲料を毎日飲む
・忘れっぽい
・非常に神経過敏
・興奮すると手に汗をかく
・時々筋肉がひきつる
・ひどく緊張感がある
・時々心が空白になる
・感情をコントロールするのが難しい
・たくさん食べたあと満足感がある
・うつである
・コーヒーや紅茶を毎日飲む
・アルコール、コーヒー、たばこなどの刺激物が必要

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このテストの結果から、次のような重要な情報も得られた。20人は暴力的になりやすく、14人が自殺傾向を認め、6人が他人に危害を加えたいと思い、7人が社会の復讐したがっていた。  

リード女史の提出文書には次のようにあります。

『アルコールや薬物の問題のある人たちが、一貫して話すのが、10、11、12歳の頃の食事は、砂糖、清涼飲料水などの摂取が多かったということである。

彼らに守るように励ましたのは、砂糖なし、低でんぷん、すべてのジャンクフードをやめることだった。
人格の変化が早く、しかも劇的であることが、しばしばあった。
栄養のよい食事を続けた者で、裁判所に再びやってきた者はいなかった。』