酸蝕歯になっている患者さんの習慣
○「食酢が身体によいから」と習慣的に飲み続ける。
○ 炭酸飲料のオマケを集めほぼ毎日炭酸飲料水を飲む。
○ シミが気になって、グレープフルーツを毎日かかさず食べる。
○ 美容のため毎日レモンを食べる。
○ ビタミンCの粉末を夜間摂取し、そのまま就寝する。
○ 梅干しを毎日数個食べる。
酸蝕歯にならないように、どんなことを注意すればいいの?
東京医科歯科大学う蝕制御学分野教授 田上順次先生資料・写真より
- 毎日ジョギング後の水分補給に、ビタミンドリンクや食酢ドリンクを愛飲している。
- 部活中、熱中症予防のため少量ずつスポーツ飲料を飲んでいる。
★中高生は、奥歯の永久歯はまだ生えたてで軟らかく、成人の歯に比べてとくに溶けやすいです。 - 朝食後は健康のためグレープフルーツを食べ、その直後にしっかり歯みがきしている。
★柑橘系の果物はとくに酸性度が高く、エナメル質を軟化させます。そこへゴシゴシと歯みがきをすると、エナメル質が過剰に削られてしまいます。 - 赤ちゃんがグズると哺乳瓶でジュースを飲ませると満足してよく寝てくれる。
- お酒は、チューハイかワイン。チビチビ飲むのが好きで、つまみはいらない。
★お酒は少しずつ飲む方が、体への負担は少ないですが、酸に触れる時間が長くなるため、歯への負担は増えます。 - 仕事での運転中は、やっぱり大好きな炭酸飲料。信号で止まるごとに飲む。
自分でできる酸蝕歯の予防はあるの?
東京医科歯科大学う蝕制御学分野教授 田上順次先生資料・写真より
- 酸性の飲食物を口にしたら、そのあと水やお茶を飲む。
- 酸っぱいものを食べたら、直後には歯みがきを控える。ゴシゴシと歯みがきをすると酸に触れたエナメル質が過剰に、削られてしまいます。
- 口が渇いている時は、酸性の飲み物は避ける。
- 赤ちゃんに哺乳瓶でジュースを飲む習慣をつけない。
- 軟らかい歯ブラシを使う。
注意する 飲み物&調味料 はどんなもの?
東京医科歯科大学 北迫勇一先生資料・イラストより
気をつけたほうがいいもの3つ
酸性 炭酸飲料水はPH値の低いもの(酸性)が多いです。
近年の健康志向を背景につくられたカロリーオフ炭酸飲料もPH値はやはり低くカロリーオフといっても、歯によいとは限りません。
PH低い アルコール類でPH値が低いのが缶チューハイ・梅酒・ワインです。毎日じっくり晩酌に時間をかけて飲んでいる方は、注意が必要です。
調味料 PH値の低い調味料は、ドレッシングとポン酢です。酢の物・酢をつけて食べる餃子・トムヤムクンなども注意が必要な食べ物です。
健康志向の高い方のライフスタイルは概して規則正しく、意思が強いだけに、一度こうと決めると習慣として長期にわたり、続けられることが多いようです。
その中に、たまたまエナメル質を溶かすリスクが組み入れられていると、気づいた時にはひどい酸蝕歯になっていることが少なくありません。
身体によい飲み物が、歯によい飲み物であるとは限らない点に注意が必要です。
問い レモンを毎日食べたら歯が溶けるの?
答え 審美の大家ゴールドシュタイン先生もレモンなどの摂取は、気を付けるように言われています。
酸っぱいものの過度の摂取は歯を溶かします。
適度な量を食べ、酸を口の中に残さないことが大切です。
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