噛んだ刺激を脳に伝える?~歯根膜の役割~

みなさん歯根膜って聞いたことがありますか?

あまり聞いたことないという方が多いかと思いますが、実は歯根膜はとても大切な役割をしているのです。

今回は歯根膜について詳しくお話しします。

脳のイメージ

歯根膜って何?

歯根膜は歯の根っこの周りを覆っている組織です。

歯根膜というのは歯の根と骨の間に0.2~0.3ミリというとても薄い膜です。歯や歯茎という言葉はなじみがありますが、歯根膜と聞くとあまり知られていません。しかし、歯根膜もとても重要な役割を担っています。

歯と骨をつなぐ大切な役割

歯はただ骨の中に埋まっているわけではありません。歯を支えている骨のことを歯槽骨といいます。

歯根膜はこの歯槽骨と歯をしっかりとつなぐ役割をしています。

噛んだ刺激を脳に与える役割

例えば、硬いものを噛んでしまったとき、硬いと認識する刺激を脳に与えるのが歯根膜です。また、揚げたてのコロッケなどを食べたときにサクっという食感や、髪の毛一本お口の中に入ってしまい噛んだだけでも感触があるのも歯根膜のおかげなのです。

歯根膜には触覚や痛覚があるために、このようなちょっとした刺激でもしっかりと脳に伝えてくれます。

噛む力を調整する役割もあります

歯根膜は歯と歯槽骨の間にあり、歯をハンモックのように支えていると思ってください。

そのため、物を噛んだときは少し歯が沈み、かすかに揺れることで過剰な力が歯にかからないように歯根膜が調整しています。歯のクッションといえます。

また、歯の周りの組織に栄養を与えるという役割もあります。

歯根膜も炎症が起こることがある

特に虫歯があるわけではないのに噛むとなんだが痛みがある。このような症状が歯根膜炎になっているかもしれません。急性症状の場合は、虫歯になった歯の根元の部分を圧迫すると痛みがあるなどの症状がでます。

歯根膜炎の原因は?

歯根膜炎は歯周病が進行することで、歯槽骨と同時に歯根膜も喪失してしまうことがあります。先ほどお話ししたように歯根膜は歯槽骨と歯をつないでいる大切な役割です。

歯根膜がなくなるわけですから、歯を支えるものがなく歯が動揺し、噛んだ衝撃をうまく逃がすことができないので痛みが出ます。

打撲や転倒によって起こることも!

例えば、誤って転倒してしまい歯をぶつけてしまったとしましょう。その場合、歯根膜には多くの力が加わりダメージとなります。そのため、しばらく打撲のような痛みが続くことがあります。

また、歯ぎしりや食いしばりにより、歯根膜にダメージが加わり、歯根膜炎になることもあります。

痛みがあれば歯科医院へ

もし、歯根膜炎のように噛むと痛いなどの症状がある場合は、別の病気の場合もありますので、ご自身で判断せず歯科医院へ相談してみてください。

大切な役割を担っている歯根膜のことお分かりいただけたでしょうか。

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