障害者歯科臨床研修会 

障害を持った方々の口腔内機能の問題は、幼児~高齢者まで多岐にわたり、先天性障害ばかりでなく後天性の疾病によって起こる口腔機能の低下や健康やQOLに悪影響を及ぼしています。

最近は、治療中心から予防管理の時代になり、障害者歯科の流れも同じく予防へとシフしています。

詳しく学ぶために5回コースを受講しました。

さいたま市新都心にある埼玉県地域医療教育センター

第1回 障害者歯科臨床研修会

H30年9月13日(木)9:30~16:00  さいたま市新都心にある埼玉県地域医療教育センターにて障害者歯科セミナーを受講してきました。

障害者歯科総論

9:30~陵北病院 歯科 三浦 雅明先生のお話を聴きました。

講演内容

・障碍者歯科の対象者

・埼玉県のおける障害者の現状

・インフォームドコンセント

・障碍者歯科の行動管理方法

・精神発達遅滞、自閉スペクトラム症、脳性麻痺の症状と治療法

・インシデントへの対策

発達障害・知的障害

午後からは 松本歯科大学教授 小笠原 正先生の講演を聴きました。

講義内容

・知的能力障害の原因

・先天性知的能力障害の特徴

・注意欠如・多動性障害の特徴

・自閉症スペクトラム症の特性と対応

・発達検査の簡単な目安

・個人歯科医院とセンター、大学の在り方の違い

第2回 障害者歯科臨床研修会

H30年10月4日(木)9:30~16:00

さいたま市新都心にある埼玉県地域医療教育センター

歯科診療における精神障害者への対応~統合失調症を中心に

元・国立精神・神経センター武蔵野病院歯科医長 中村 廣一先生のお話以下を詳しく聴きました。

・統合失調症の特徴

・統合失調症の治療に用いられる抗精神薬

・抗精神薬の副作用~唾液減少、咬合異常、頻脈など

神経・運動障害

埼玉県歯科医師会口腔保健センター非常勤講師 安達 吉嗣先生 以下を説明されました。

・脳性麻痺について

・脳性麻痺の緊張性迷路反射

・パーキンソン病の症状

・レボドーマの副作用

第3回 障害者歯科臨床研修会

H30年10月25日(木)9:30~16:00まで高齢社会における歯科医療を考える3回目のセミナーを受けてきました。

身体介護:移乗・移動時の援助について

埼玉県総合リハビリテーション認定看護師 木村 亜矢子氏

主任看護師 高橋 美弥子氏

主任看護師 川野 香織氏

1 高齢者の運動系・感覚系の特徴

2 高齢者認知症患者の動向

3 車椅子の構造と特徴

4 実習:車椅子の移乗と移動時の援助方法

食べるがつながる多職種連携 オーラルマネージメント

藤田医科大学医学部歯科・口腔外科学講座教授 松尾 浩一郎先生

1 口の機能と栄養の関連性

2 フレイル定義

3 サルコペニアの定義

4 口腔機能低下症の診断方法について

等々、たくさんのお話をされました。

第4回 障害者歯科臨床研修会

H30年11月29日(木)9:30~16:00まで大宮歯科衛生士専門学校にて4回目の講習会を聴いてきました。

医療面接と行動調整法について

講師 埼玉県歯科医師会口腔保健センター診療医長 佐々木 隆子先生

1 障害者における医療面接

主訴、現病歴、歯科既往歴、全身既往歴、障害や疾患について、コミュニケーション能力・方法、恐怖対象や興味対象、問題行動や特異行動の有無、診療に対する要望、口腔衛生習慣、食生活習慣などの情報収集をする。

2 各障害について

知的能力障害、脳性麻痺、ダウン症、てんかん

3 行動調整法

意識下。。行動変容法、体動コントロール、精神鎮静法

非意識下。。全身麻酔

実習

体動コントロール、気管挿管、静脈注射、筋肉注射、血糖自己測定について実習しました。

第5回 障害者歯科臨床講習会

H30年12月6日(木)9:30~16:00 第5回障害者歯科講習会を聴いてきました。

中途障害と全身管理

講師 埼玉県歯科医師会口腔保健センター診療科長 高野 宏二先生

1 中途障害者とは

出生時や周産期に発症した障害ではなく、人生の途中で障害が発生した人。一般的には出産年齢(15歳から60歳)から高齢にかけ疾病や事故などで障害を負った人を指すことが多い。

2 中途障害の原因・種類

・脳血管障害

・難病

・内部疾患

・交通事故、労災事故、スポーツ障害など後遺障害など

3 脳卒中の後遺障害

・片麻痺

・摂食・嚥下障害

・高次脳機能障害

4 高次脳機能障害とは

脳血管障害や外傷性脳損傷などにより脳の一部が損傷を受け記憶・意思・感情など高度な脳の機能に障害が表れること。その症状は多岐にわたる。

・ 注意障害→注意機能の低下、集中力の低下

・ 記憶障害→記憶力の低下

・ 失語識障害→コミュニケーションが困難となる。

・ 失行識障害→四肢の障害がなくとも日常生活の動作が困難となる。

・ 見当識障害→家族や現在」の場所がわからなくなる。

5歯科治療の初診時の問診によるリスクの把握

・まず体調の確認から

・既往歴の聴取、自己申告のみに頼らない

・身長、体重、血圧、脈拍、体温

・紹介状、お薬手帳の確認

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