待合室に流れている曲はなぜ、モーツァルト?アマデウス~モーツァルト
待合室の音楽は、なぜモーツァルト?
3500ヘルツ以上の高周波が豊富で副交感神経を活発にします。また、小川のせせらぎのようなシンプルな音の波が繰り返されます。複数の音が同時になった時の心地よい組み合わせが、モーツァルトの音楽によくみられます。
映画 アマデウス(1985年公開)
凍てつくウィーンで1人の老人が自殺を図りました。老人は精神病院に運ばれその一室で神父を前に語りだします。
老人の名は、アントニオ・サリエリ。かつてはオーストリア皇帝ヨゼフ二世に仕えた宮廷作曲家でした。
彼の運命は、天才モーツァルトが彼の目の前に出現した時から狂いだします。
優れた音楽家だからこそモーツァルトの素晴らしい作品に打ちのめされ、激しい嫉妬に苦しみます。
映画は、あまりに短い一生を破天荒にそして自分の思いのままに生きた天才モーツァルトとその同時代を生きたサリエリの苦悩を、描き出しています。
モーツァルトの有名な音楽作品
作品
♪フィガロの結婚
封建貴族に仕える家臣フィガロの結婚をめぐる事件を通じて貴族を痛烈に批判しており、その時代各国で度々上演禁止になりました。
♪ドン・ジョバンニ
題材は言うまでもなくスペインの伝説的な好色男ドン・ファンです。このドン・ファンをイタリア風に呼んだのがドン・ジョバンニです。
近世音楽史上モーツァルトとベートーヴェンの二人の天才がいますが、この二人は正反対の性格でした。
ベートーヴェンの楽譜には多くの修正跡が残るのに対して、モーツァルトの楽譜にはそれが全くありません。
ベートーヴェンは多くの苦渋の中から曲を絞り出しましたが、モーツァルトは天から聞こえてくる調べを一気に書きしるしたのでしょう。
彼の筆が一度止まってしまった楽譜は決して続きが作られることはなかったといいます。
1787年モーツァルトは「ドン・ジョバンニ」のために音楽を依頼されていましたが、初演の2日前になっても彼は書きだしません。
業を煮やした支配人は彼を2日間缶詰にして強引に曲を書かせたそうです。
♪魔笛
モーツァルトが生涯最後に完成させたオペラです。
古代エジプトを舞台に繰り広げられる幻想的な妖精の劇です。
♪レクイエム
「死者のためのミサ曲」で彼の最後の作品で未完のまま残されています。
映画の中では変装したサリエリがモーツァルトにレクイエムの作曲を依頼していますが、歴史的記録によればこの曲を依頼したのは、フォン・ヴァルゼック伯爵です。
♪作品数
モーツァルトが生涯に作成した交響曲41本、50本以上の協奏曲(ピアノ27本、ヴァイオリン7本など)23本の弦楽四重奏曲、
20本のオペラ、20本のミサ曲、など600曲以上と言われています。
モーツァルトの音楽を形容する言葉はいろいろありますが、「さらさら流れるような」と言われます。
強弱が丁度良い感覚で繰り返されるような「ゆらぎ」が人間の耳に心地よい響きとも言われています。
ヒーリング効果があるにはもちろんのこと、「音楽療法」の中で特にモーツァルトの曲が好まれています。